奥田 博
2011年3月11日、私たちはかつて経験したことのない大地震に襲われた。そしてその一時間後に沿岸部はかつて経験したことのない大きな津波に襲われた。さらに福島県では、原発が制御不能に陥り、広い範囲が汚染され、今も収束の兆しさえ見えない。自然と人の造り出した装置の恐ろしい姿を見せつけられた。関係者は「想定外」といい「人智の及ばない」事象と嘆いた。昔から地震や雷、大雨や大雪や大風など自然によってもたらされた被害は枚挙にいとまない。その度に「想定外」であり「人智の及ばない」事象であったはずだ。我々は自然の前では明日だって想定出来ないのだ。想定外とは何と驕った言葉であろうか。今回の原発事故は我々の生活を大きく見直す機会を作った。電気に依存し過ぎた生活を見直し、原発が無くても生活のできるライフスタイルとは何かを考えなければならない。大きな犠牲を払ってしまった日本が、世界に示すことが求められていると思う。「皆の本当の幸い」を探し始めねばなるまい。 カムパネルラが少しそっちを避けるやうにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまひました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいてゐるのです。その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずたゞ眼がしんしんと痛むのでした。ジョバンニが云ひました。「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。きっとみんなの本当の幸いをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一諸に進んで行かう」 |
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大震災が教えてくれたもの |
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事故後20年の自然誌 |
花塚山放射能紀行 |
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実情、東北の山の放射能 |
再臨界と国民的議論 |
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線量計を携えた山旅 |
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福島第一原発から12kmの日隠山を歩く |
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福島第一原発から20kmの懸森山を歩いて思ったこと |
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