ミヤマカラマツ(Thalictrum tuberiferum キンポウゲ科カラマツソウ属) |
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山地の樹林内や沢沿いに植生する多年草。吾妻・安達太良連峰の山麓や中腹で群落を形成している。新緑の季節が過ぎ樹林内が薄暗くなった頃に、独特の形状をした小葉からなる3出複葉群で構成された葉群から伸びた茎の先端に一見カラマツの葉に似た花を散房状に咲かせる。開花前は花を包むがくが確認できるが、開花後まもなく落ちてしまうため開花中の花ではがくは見られない。このがくの性質は早落性と呼ばれる。またミヤマカラマツの花には花びらは無く、開花後の花は多数の雄しべと数本の雌しべで構成される。ミヤマカラマツの花は雄しべの形が特徴的で先端が紡錘形に膨らんだ花糸は横から見るとご飯をすくう杓文字の形にも似て、その先についた葯はまるでご飯粒のようでもある。雄しべの色は通常は白が基本であるが、赤紫から桃色に近い色彩を帯びる個体も見られる。このような個体は白いミヤマカラマツとはまるで別種のような艶やかさをかもしだしている。 |
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ズミ(Malus toringo バラ科リンゴ属) |
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山地の明るい所や湿地帯に植生する雌雄同株の落葉小高木で高さは5〜8mになる。葉は長楕円形が基本であるが三裂する葉が混じることがある。枝には刺があり、老木になると樹皮に縦に割れ目ができる。花は短枝の頂芽から5〜7個の花が散形状にまとまって咲く。これを花叢と呼ぶ。1個の花はがく、花びらともに5枚で秋には赤い小さな果実を着ける。黄色に熟すものはキミズミと呼ばれる。ズミの花は展葉が完了する前に咲くため開花の頃の樹姿は樹全体が白雪をまとったようで遠くからも良く目立つ。そのため、昔から庭木や盆栽用として山採りされてきた歴史を持つようである。樹皮を煮出して染料にしたり、絵の具の原材料にもなるので、「染み」からズミの名が変化したと言う説もある。また以前は、セイヨウリンゴ栽培の台木として利用されたこともある。コリンゴ、コナシ、ヒメカイドウ、ミツバカイドウ等別名が多いことから、人との長い接触があったことをうかがわせる。 吾妻連峰では仁田沼周辺や、裏磐梯から西吾妻にかけての山裾の水田のあぜ道などに比較的大木化したズミの古木が散在している。また高層湿原である標高1500mの谷地平でも群落を形成しているが、その樹姿は潅木状でとても山麓に植生するものと同一の樹種とは思えない。 |
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