吾妻・安達太良花紀行

ツルニンジン
Codonopsis lanceolata
キキョウ科ツルニンジン属

 
高山のツルニンジン


里山のツルニンジン

 高山の原生林を守る会」会員としての私にとって最も印象に残っている花である。「守る会」が設立されてから2年目の1988年の夏に初代代表の穂積親子達と高山の植生調査をした時に麦平から頂上に至る登山道沿いで咲いているのを見つけた。ベルフラワー状の大型のこの花は5の数字で構成される幾何学的な模様で彩色され、さながら万華鏡をほうふつさせる。調べてみると里山に分布する植物であると知り、高山の1600mの針葉樹林帯にあることが、不思議に思った記憶がある。それから7、8年後に中作山や高湯付近でこの花の植生を確認し図鑑の記載内容に納得しているが、高山での植生は今でも不思議である。
 なおツルニンジンの有力なポリネーターはスズメバチ類である。この花を見つけたらスズメバチ類の不意をつかないよう十分注意する必要がある。

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