118回龍ヶ岳自然林と鳩峰峠の植林地観察会11.10.2()

 

 

  鳩峰の若木     佐野 一子
牧草地を 国有林に返すとは かの広き山に木を植うるのみと
山原に うす紫のノコンギク 植えし若木の育つは確か
かの昔 牛たちが草食べる山に 若木は根づき葉を輝かす
落葉樹林の 若木は直ぐと伸びており 紅葉はじむ秋に射る今
年を経て 若木直ぐ立つ 「ありがとう」のリュックの美酒を静かにそそぐ

マザーツリーとノコンギクの花絨毯

今年はブナが豊作

アキグミ

植林跡地

118回自然観察会 龍ヶ岳自然林と鳩峰峠の植林地観察会に参加して 渡邊 アヤ子

 『高山の原生林を守る会』第118回観察会が、31名の参加者により10月2日(日)山形県龍ヶ岳自然林と鳩峰峠の植林地で開催されました。
私はこの度新会員となり、今回初めて参加させていただきました。
  

龍ヶ岳は標高994メートル、鳩峰峠を登山口とし、山形、宮城、福島の3県にまたがる展望のすばらしい山でした。この日は好天に恵まれ、紅葉にはまだ早いですが、さわやかな秋風が草原に流れる、絶好の観察会となりました。
 

登山口は、鳩峰峠の牧草地から始まります。歩き始めるとさっそく、ゲンノショウコが小さな花をつけ、今を盛りとノコンギクが群生して咲き誇っていました。草原と笹の中の道を15分も登ると、トモエシオガマ、ヤマハハコが足元に、顔を上げるとテンニンソウ、前の方で何やら佐藤代表を囲んで説明会、近づいてみるとハナヒリノキということでした。鼻に近づけるとヒリヒリするのでこの名がついたとか。実はよく見るとひとつひとつががリンゴの形をしていてとても可愛らしい。
また、両側に木の実がいろいろと目に入ってきました。アキグミ、コマユミ、ヤマブドウとノブドウ(同じだと思っていました)、ガマズミ、オオカメノキ、ナナカマド、ツルウメモドキなど、地味だった夏と違い、自分を主張するかのようにその彩りを競っていました。
  

また、カマツカ(別名ウシゴロシ)、サワフタギ、イヌガヤ、ヌスビトハギ、タチツボスミレ、サラサドウダン、オヤマボクチ(別名ゴンゴッパ・こちらの方が覚えやすい)、クロモジの木、タニウツギやイヌガヤの実など、どの木もどの実も行く秋の束の間の存在をせいいっぱい見せてくれていました。次の世代に命を残しているのですね。(実はほとんど名前を知らなくて、みなさんに教えていただきました。)

  私は以前から山歩きが好きで、可憐な高山植物に癒され、花を愛で、花に出会うのが大きな楽しみのひとつでした。ところが、佐藤代表や小幡さんと歩いて、高山にはない多くの山野草や雑草(?)の名を知ることができました。当然ながら、どんな野草にも雑草にも名前があり、花が咲き、実をつけ、自分の居場所の中で懸命に生きている。今まで見向きもしなかった雑草さえ愛おしく思えました。
  

昼食はブナのマザーツリーの下で芋煮会。この付近は7年かけて植林したという広葉樹が順調に生育していました。おいしい芋煮をいただきながら、なぜこんなところまで伐採して牧草地を作らなければならなかったのか、人間の身勝手さに憤りを覚えるのを禁じえませんでした。

  『高山の原生林を守る会』は発足以来、精力的に自然保護活動を4半世紀にわたり継続されてきたとのこと。その関わってきた全ての方に深い敬意の念をいだくものであります。そして、その末端に身をおくことができることに感謝しております。

  2週間後、観察会で見た実生がどのように変化したかを見たくて龍ヶ岳に再度足を運びました。コマユミがはじけたようにたくさんの実をつけ、アキグミもナナカマドもまだ残っていました。一段と秋が深まり、冬を越す準備が着々と進んでいるようです。来年、花が咲くころはどのようになっているのか、また来てみたいと思いました。

 

 トップページへ    観察会のページへ