風景印の旅(3) 鎌田和子 | |||
前回の「風景印の旅(2)」で、ウラジロガシをアラカシだと思い込んでいた話をしましたが、私はまだ本物のアラカシの樹木を見たことがなかったのです。 |
![]() ウラジロカシ |
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スダジイラインの意味するもの 山内幹夫 | |||
今年の8月下旬、所用で、いわき市の小名浜にある福島海洋科学館「アクアマリンふくしま」に行った。去年も一度行っているのだが、あそこのすごいところは、単に水族館というだけでなく、陸と海との繋がりをうまく展示していることにある。言ってみれば、我々が生活している陸と海洋との接点を、後背湿地から海岸砂浜までの生態系変化のビオトープにしてしまう具体性に驚かされた。さらに、海人写真家古谷千佳子さんの写真展で、沖縄だけれども、人の生活と海との関わりを展示したり、沖縄(やんばる)のカエル展を開いたりと、海と人、海と陸との関係にこだわる姿勢が、強く印象に残った。 |
渡辺一雄 1969年 |
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いわき市平弘源寺南斜面のスダジイ林。現海岸線から5q以上離れている。 |
いわき市平弘源寺境内のスダジイ古木の根元(樹齢は200年以上か) |
弘源寺と国道6号腺を挟んで向かい側の鎌田地区の丘陵斜面にも、スダジイを含む照葉樹叢が見られる。 |
いわき市豊間町八幡神社境内のスダジイ林。海岸線近くに位置する。 |
鹿狼山から |
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今日は日曜日。10時半に洗濯がようやく終わりお天気もまあまあなので、鹿狼山に登ることにする。駐車場にはどこかの地区の親子行事らしく、30人ほどが集まっていた。小学生の元気な声が響いていた。秋の鹿狼山は日曜日となればいつもこんな風である。 さて、今日のメインはツノハシバミの実がどうなっているかということだ。先週はたった1個しか残っていなかった。今年の春に雌花と雄花序を観察して、夏には角のある独特の形をした緑色の実が4、5個付いていたのである。もっとも、4、5個では今年もツノハシバミの実のお味見はできそうにないと思っていた。 この実はヘーゼルナッツと同じ味がすると本に書いてあったので、いつかは食べてみたいというのが私のささやかな願いである。今日見ると残念ながらツノハシバミの実は1つもなかった。落ちてしまったのかなあと思い、木の下を見たけれどそれらしいものもなかった。残念・・・。昨年も同じ頃に、実は全部なくなってしまった。だから、おそらくツノハシバミも栗みたいに、緑色から茶色に変色し中の堅果が熟して食べられるようになると思うのだが、その姿をまだ見ていない。図鑑には角状の果苞を剥いて取り出した堅果が載っていた。私がこんな堅果を見られるのはいつのことになるやら。 気が付くとツノハシバミの枝にもう小さな雄花序が付いていた。これが来春までにはずいぶん長くなるのだからおもしろい。雌花は、これが変わっていて、芽鱗の先に赤い柱頭がヒラヒラと出ている。ルーペでのぞくと赤い炎が燃えているようでもあり、不思議な世界である。最近は一つ一つの植物の花から実までの姿を見てみたいと思い、鹿狼山に登っている。沢山の植物があるので、そんなに数多くは確認できない。今年は、ツノハシバミの他にオトコヨウゾメの花から実への変化などもおもしろかった。白い花が終わると緑色のつやつやした実が柄に垂れ下がる。それが黄色からオレンジ色になり、今は赤色に近づきつつある。ヤマボウシも時々見ていたので、春になって緑色の花びらが沢山出てきたのには驚いた。ヤマボウシの花は白いものだと頭から信じ込んでいたのである。花びらのように見えるのが総苞片だということも図鑑を見て始めて知った。 この次は、ウラジロノキとアオハダの花を見たいと思っている。この木は鹿狼山に隣同士で並んでいる。どちらも実の方はすでに見ているが、花の方にはまだ会えないでいる。それから、イヌブナの花と実も見てみたい。まだまだ鹿狼山通いは続きそうである。 |
■雨の予報がはずれたゴールデンウイークの半ば、前から気になっていた不動湯近くの県有林道の末端まで行ってみた。道は黒沢まで拓かれ、砂防ダムが整備されていた。この林道はそのための工事道路だったらしい■堰堤にはオオバヤシャブシが植林されていた。帰ろうとふと振り返ったら白一色の斜面が目に入った。ニリンソウの大群落であった■その中に踏跡を見つけた。たどるとその末端にはケヤキの「あがりこ」の大木がひかえていた■帰り道にカモシカに遭遇した。この春2度目である■林道入り口の伐採地では3、4年生と思われるブナの稚樹が1本。それは、「ここは私の住処です。人間の手を借りずともここはブナ林に戻ります。」と語りかけているようであった。陰樹であるブナの稚樹の行末を案じつつ帰路についた(MS記)。 |
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