第22回東北自然保護のつどい岩手大会」参加報告   佐藤 守

1.   期日 2001年11月10日(土) 場所 岩手県安代町「安比林業センター」

2.   参加者 高橋淳一、奥田博、佐藤守

基調スローガン:「21世紀の人と自然の共生」

総会

議長:井上裕治

規約改正提案:外川正

●規約改正提案:承認

「東北自然保護団体連絡協議会」規約
第1条(名称)
本会は、「東北自然保護団体連絡会議」と称する。
第2条(目的および活動)

本会は、東北の自然を守ることを目的とし、そのための活動を行う
第3条(会員)

本会は、当目的に賛同する団体により構成される。

第4条(役員)

本会は、次の役員を置く

1.代表世話人 1名
代表世話人は、その年の幹事団体から選出するものとする。

2.幹事団体 6名

第5条(会議)

本会は、以下の会議を主催する。

1.東北自然保護の集い

当集いは、幹事団体持ち回りで、年1回開催する。

2.総会

総会は、最高の意志決定期間として、年1回開催する。

3.役員会

代表世話人は、役員会を招集することができる

4.東北自然保護メーリングリスト

第6条(付則)

1.本規約は、総会の決定をもって決定する。

2.本規約以外の細目については、世話人会の決定による。

3.本規約は、平成13年11月11日をもって施行される

 

l         幹事団体の選出方法:集いは、福島、秋田、山形の発案で始めた。各県から1団体幹事団体として世話人を選出してもらうようにした。

l         各県の幹事団体:田中洋一(東北自然ネット)、岩手自然の会(外川)、宮城の水と自然を守る連絡協議会、高山の原生林を守る会(高橋)、出羽三山を守る会(佐久間)、秋田県自然保護団体連合(奥村)

l         メーリングリストの整備を是非やってほしい。経費は今回参加者からのカンパでまかなえないか。

l         改正案承認。

 

主催者挨拶(外川)

l         2次世界大戦中に東北は貧しかったにも係らず、多くの都会の避難民を受け入れられたのは、豊かな自然にはぐくまれた懐の深さがあったから。

l         今、東北の森は危機に瀕しており、各県の協力の下残された森の保存と回復を目指していきたい。

l         明日の観察会では、皆さんの観察会のノウハウを岩手県に置いて行ってもらいたい。

 

1分科会 「希少野生生物の保護について」(パネルデスカッション)

座長:井上 裕治(早池峰クマタカ研究会)

大テーマ:東北に於ける希少野生生物の現状と保護

1 レッドリスト・レッドデータブックについて

l         青森・岩手・宮城3県で整備済み。他3県も来年には整備される予定。

l         瀬川:レッドデータブックは分厚くて、もっと見やすく、わかり易くする必要がある。広島県は写真も付した普及版を作っている。1970年に岩手県植物誌発行されたが、気候帯によって区分している。これと同じようにしてもいいのではないか。また、地域の人がレッドリストに対して敏感に反応してモニタリングできる体制が必要ではないか。

l         青森県は普及版を出版している。岩手県も行政レベルでは出版計画あり。

l         岩手県の場合、整備を急ぎすぎたきらいがあり、情報の少ない分野がある。追加調査担当者に与えられた期間は2ヶ月しかなかった。ベースの部分は10年ぐらい前から調査していたらしい。

l         県の担当者が岩手県植物研究会会長に依頼文書を送付しただけ、予め行政の方で分野別の人材の把握に努めていなければならないのではないか。

l         調査にかかわった人がどのような人なのか不明であり、またもっとも活発に活動している団体に依頼が無かったのも問題。

l         秋田県で547種/1900種(29%)の植物が危惧種。マツムシソウ、アツモリソウは絶滅した。チョウセンキバナアツモリソウは秋田県の男鹿半島の特定の地域にしか植生していない。山野草業者が盗掘していき6ヵ月後「山野草」に掲載された。しかし、現行犯でないので罰することができなかった。今は、鉄線で囲った。知られるきっかけは地形が分る写真が出版されたのがきっかけ。

l         チョウカイフスマ、シナノキンバイ、チョウカイアザミ、リュウキンカ、エゾツツジ等も危惧種となっている。

l         淡水魚7種/100種が危惧種。ほ乳類は21種/54種。ホンドザル、ヒホンイズナ、コウモリ7種など。鳥は32種/200種で猛禽類はほとんど入っている。

l         データを公表すると悪用するものが必ず出てくるので対策が必要。また開発の時に鳥類の生息と開発する地域の兼ね合いが問題になる。成瀬ダム問題であったが、対象鳥が居ることを国は把握していながら行政のほうで公表していなかった。そうさせない市民の監視が必要。

l         レッドデータリストのカテゴリーも県によって異なる。どのような基準で区分しているか情報を予め押さえておく必要がある。

2 希少野生動植物保護に関する基本方向

l         普及啓発(普及版が出ていない。指導者の育成は必要。地域の自然を理解していくための観光・エコツーリズムの整備が必要)

l         生息・生育地の維持・改善(最もキーになるポイントである)

l         調査研究(各地域レベルで人材を育成する機関の整備。ボランテア頼みばかりではなく身分保障された人材の確保も必要)

l         種は環境と一体で初めて保存できる。

l         クマタカとヘリポートヘリポート基地整備問題で、クマタカと人命救助どちらが大事かと言う二者択一の問いかけが良くされるが、クマタカの生息できる環境維持が人間の生存確保に連鎖するというようなPRや啓発が必要ではないか。

l         ブナを択伐すると,ブナの花粉はあまりとばないので自殖中心となるため雑種矯正が確保できず、衰退につながっていく。

希少野生生物・生息地保護の実情

l         グリーンベルト構想の現状:1989年第1回岩手ブナ集会が花巻で開催された時に初めて、提唱した。

l         これからは、尾根沿いの回廊だけでなく、沢沿いの回廊も整備する必要がある。そのことで、熊との人間との遭遇も少なくなるのではないかと思う。

l         緑の回廊の考えを普及するために一斉観察会を呼びかけた。

l         中岡:自然保護より林業の観点で行政をしている。人工林もグリーンだと思っていたので、尾根を対象として政策化することに抵抗感があった。外国の回廊は動物を対象としている。しかし、日本の場合はブナを初めとした自然林自体が人工林で分断されていることに気が付いた。そのため、人工林を自然林に変える方策を考えた。東北は国有林が多く有ったので、グリーンベルト構想がスムーズに推進できた。四国などは民有林が多いためにうまくいかない。また東北の自然保護関係者の連携も重要な要素である。更に新たに鳥獣保護区として設定していく地域を増加することも必要ではないか。

l         ブナの更新は牧場の跡とか、炭焼き跡が多い。更新は一斉に行われるケースが多いと思っている。ただ遺伝子解析の結果の問題はどのように解釈したらよいか良く分らない。

l         青森県の計画課長の仕事は自然保護関係者の対応が中心であった。環境庁より早く林野庁が自然保護に対応できるのは緑の回廊だと思った。環境庁は守るだけである。守るだけでなく自然に働きかけることも必要。たとえばクマゲラの餌場を作ってやる必要がある。伐採跡の切り株にアリガ入ってクマゲラの餌場になる。白神も規制地の外の方が増加しているとの意見もある。

l         奥村:秋田では12月に白神と八甲田を結ぶ一体22400haを緑の回廊として指定した。今後は、その森をどのような位置付けで係っていくかが重要。グリーンベルトを今後は野営動物のサンクチュアリー(禁猟区)にできないかと考えている。

個々の野生生物種についての議論

ツキノワグマ

l         秋田県は日本で最も熊の生息密度が高いのではないか。

l         秋田では2001年度は389頭の熊を駆除した。うち春熊駆除53頭(/93頭予定:熊狩りがいなくなったため予定の熊を駆除できなかった。)人家に現れ駆除された熊は336頭で戦後最高。2000年は山の実が豊作だった。

l         山の実が豊作の年は、人里に出てくることが少なく有害駆除で殺される熊の数は少ない。山のみの作況と熊の駆除数には相関がある。

l         「有限の生態学」地球の水循環のなかで海のミネラルを山に運ぶのは動物(ツキノワグマ、サケ、鳥)である。従って、ツキノワグマは森の栄養バランス維持に寄与している。

l         カメリカの話、人間を食べた熊を駆除するに当って、わなに捕獲された熊の血液のDNA鑑定を行い、人間を食べた熊を特定してから駆除する。日本では、捕獲した熊は全て殺している。

l         熊たちと会わない配慮をするのが熊たちにとって礼儀である。

l         緑の回廊を広げることによって熊の生息域が広がり人間に会う機会も減らすことができるのではないか。

l         熊は山の実が豊作の年に多くの子供を産むようになっている。従って豊作の翌年に人間とのニアミスのケースが多い。

l         湯田で熊のニアミスが少ない(春はヒメザゼンソウを食べにくる)のは、住民が熊の通り道を良く知っていることと周辺に熊が住む森が豊富なためではないかと考えている。

l         清野:熊は人間を怖がっている。山菜取りをしている人が襲われるのは独占欲で無言で採取しているから。

l         熊の問題は、人間と森との係りのあり方で多面的な要素を持っているのでもっと議論して欲しい。

l         秋田県の太平山には人と会っても逃げない熊が出現してきた。人間の習性を学習してきた(山菜とりにきた人の採取したジダケを人間が離れたすきに食べてしまう熊もいる)。

l         マスコミは人里に現れた熊の数が多くなったという現象的事実をセンセーショナルに報道するだけではなく、山の実の豊作の年に出産頭数が増加するため翌年、ニアミスが多いというメカニズムもきちんと報道すべき。

l         自然をイメージでとらえるのではなく、データをとって自然を良く知ることが大切なのではないか。

 

第3分科会「公共事業を問う」

1)          井上博夫教授 ダム建設問題

l         盛岡の北上川に流れ込む唯一ダムの無かった簗川へのダム建設問題で「市民ネットワーク」を結成

l         公共事業の自然保護性と必要性:「時のアセスメントでの再評価」。掛けた費用に対する効果・便益は、大体は便益が高いという報告されるのが実態。その実態は、給水計画、洪水災害費、流量予測のデタラメ

l         北海道では1/100(100年に一度起こる確率流量)ではなく、1/150とか1/200という想定で、いたずらに工事費をかさ上げしている現状がある。・治水工事では必ず治水便益をしなければならない。

l         1/100等の便益比較は、既に意味をなさない。違う治水方法を考える時がきている。高い工事費用は水道料金が高くなる課題となる。

2)          井上博夫教授 大規模林道・川井・住田線建設 費用対利益評価

l         ほとんどは費用対効果には程遠い実情。・農林水産省・林業関係のうち75%が公共事業、内50%が林道工事関連費用

l         造林無き林道=林の管理を考えると細い林道が欲しく、大規模ではない。

l         個別最適で見るよりは、全体最適で見る必要がある。行政は、ダムを建設することを決めたからやる数字を並べているだけだ。もっと進んだ提案を団体はすべきだ。

3)          船形山のブナを守る会 早川

l         栗駒山麓の大規模林道工事と森林生態系保護地域の矛盾

l         リゾート工事は相次いで中止されているが、公共工事である道路建設は行われている。機能しない道路に114億円が投入されようとしている。

l         山間部では大々的に林道工事が行われているのが実情で、一関市周辺からの反対運動は、起こっていない。

4)          宮城・ブナと水の小幡さん

l         仙台市周辺に拡大する住宅地によって、緑が失われている。「No」という選択肢の無い実情。計画の段階での情報察知がポイント。

5)          葛根田川源流部の原生林を守る会 白藤さん

l         奥産道は4km手前で車の通行を止め、歩行になった。全国に300路線ある奥産道のうち、原生林を通るのは八幡平と和賀だけだ。

l         委員会に入ると行政はまず「造りたい」という意志があり、それに合わせる資料を作る。むしろ素朴な意見が通る。

l         仙台市の住宅開発におけるアセスの問題点はだまされるな。自然環境という名前を使った施設には注意のこと。

l         仙山線の不通問題では、上流で砂防ダムがたくさん造られ、それで土石流が起きたときには凄いエネルギーになり、仙山線の橋脚を壊した。山を壊してきたことの付けが、今回ってていることを知るべきだ。もう一度森林再生のための、活動をすべきだ。

l         岩手山に火砕流対策でダムを造っている。40の沢に100個以上の砂防ダムを造るようだ。自然災害を完全に防ぐのではなく、災害と共存する選択もある。

l         昭和30年には、もっと切れが国民の声だ。今は皆で声を出せば、行政は変わる。

l         公共事業をシステムとして見直すことが大事だが、一般の人まで関心も含めて付いて来ていない。

l         行政は分かっていないので、そこに対する提案をしていくことが大事

l         公共広告機構の宣伝で「尾瀬の自然破壊は、国民一人一人が声を出した結果、行政・国を動かした」自治体・現場サイドでは、直接小さな世論を動かすまでに、声を出し、マスコミを動かすことが大事。異議意見書のようなシステムが欲しいが、どうしたらそれが得られるかが分からないし、抽象的。

l         日本全体の公共事業を止めるのと、「川井ー住田線の林道」や「簗川ダム」を止めるのは、手段手法が違う。岩手のローカルな問題には、正論でぶつかり、保護団体が先頭を切る力を付ける必要がある。

l         オランダでは公共事業の決定には国民が参加するというが、まさにそれはシステムだ。

l         システムを知らないかも知れないし、システム出来ても魂が無いと、運用はされない。

l         一般市民と保護団体で乖離してるのは、事実を知ってもらうことのシステムが無いからだ。公共事業を止めるかそうかではなく、我々の生活がどうなるかという意味だ。

l         そういう意味では、メーリングリストは大事だ。情報公開制度も運用すれば、変わるだろう。

 

分科会報告

l         サル、クマ等の野生動物の農産物被害に対する補償をするシステムを確立すれば、マスコミで騒がれている野生動物の問題はクリアできるのではないか。金額的にはそんなに多額にならないと思う。

l         自治体に野生動物被害補償の条例化について、今回のアピールに補足したらどうか(秋田での農産物被害額は1億6219万円)。

l         養蜂をしていると8,9月には必ず被害があるので、初めから5%程度は熊に食べさせる予定でいる。今年は、熊の出現が早く、ジダケが出る頃から現れた。

l         熊被害の問題は、ゴルフ場、住宅団地造成等で熊のテリトリーを侵害していることと、登山者が食物を山に放置していることが大きな原因である。

2分科会

l         環境教育へのアプローチという課題は大きすぎたテーマであった。

l         小学生、幼稚園児、中学生を対象とした観察会の報告では、多人数すぎることが問題としてあるが、教師との交流は有効である。

l         安全確保ではスタッフ教育と保険で対応している。

l         親子自然教室についてはいつも親と子供を一緒にさせるのではなくたまには引き離すことも大切。主催側は遊びの感覚でやっていたので23年続いた。教えないこともしっかりと決めて対応することが大切。

l         宮城県では笹刈りを通してブナの成長や森の営みの学習をしている。

l         何を、どのように、何のためにという目標をはっきりすることが重要。教師の考えている自然観察と自然観察指導員の考えている自然観察は異なる面も多い。

l         最近の教育は、特にコンピューターが代表的であるが、答えが必ずあってそれを探す方式のものが多い。答えがないものに取りくまさせて教える側の考えを含めて、自分で考えさせることも重要ではないか。考えさせる場を提供することが大事。

l         教育現場で自然観察のレポートとしてデジカメで取った画像をパソコンで処理してはめ込んだものを提出した生徒が現れ、コンピューター教育のあり方が問題となっている。

l         今は言葉で分っていても体験していないため、実体を理解していない子供が増えている。

l         観察会で携帯トイレを使わせるようにしたい。そのためには、トイレをたたんだりするので時間がかかるのでリーダーは配慮を。

l         森資源の利用は、立木のままで利用する資源と伐採して利用する資源の区別が必要。養蜂家にとってはブナ、ヤマザクラなどは立木のままで利用する資源である。

l         今の教育現場での理科教育はおかしくなっている。たとえば人間の体を知ろうという課題の解決方法としてパソコンで調べてみよう。保健の先生、医者に聞いてみようということで済まされている。その一方で、総合学習で体験学習をしなさいとしており、指導要項が体系的になっていない。

l         自然観察会で気がついたのは、大人は芝生などの刈り払われたところを好む傾向が多い。ブナ観察会で森から芝生に帰ってきてやっと気持ちのいいところに帰ってきたという参加者も多い。

l         綺麗なところを好み、ヤブを嫌う傾向がないか。

l         130回を越える観察会で事故は1度も無い。事故対策としては、観察会開催の前に必ず現場を下見する。保健、リーダーが責任を持てる人数に制限する。この3点を守ることが大原則。

3分科会

l         梁川ダム、大規模林道を例に公共事業の費用対効果の話を井上教授にしてもらった。

l         ダム建設の5つの疑問。都合が悪くなると多目的ダムとなってしまうが、そう言われると納得してしまうが。

l         例えば水害で100年に1度の災害のためというが、100年も継続してデータをとっていない場合もある。

l         東京では里山の自然保護について敏感であるが、東北では原生的な自然には敏感であるが、里山の自然保護には鈍感ではないか。仙台では里山が危機に瀕している。

l         これからは、システムとして公共事業をとめる方法の確立を追及していくことが必要。

l         仙台の住宅団地問題はクマ、オオタカなどの自然保護的観点で反対運動を出発させたが、費用対効果を調べていったら、大きな問題があり公共事業は停止している(住宅生協が大きな赤字を抱えていおり、既存の団地も入居者が50%程度しかいない事実も明らかになった)。これからの自然保護運動は、このような解析も必要。

l         博士山ブナ林訴訟の論点:イヌワシの環境問題。費用対効果は。林道工事の計画施工手続きは適正か。裁判所から証拠としてビデオの提出を求められたが、裁判でビデオが証拠として認められたのは初めてのケースである。

l         公共事業をチェックするシステムがないのが問題ではないか。

第22回 東北自然保護の集い岩手大会大会宣言

前世紀、東北の自然は戦争や経済発展などにより大規模にはかいされてきましたが、その一方で東北の自然保護運動は、地道な活動により一定の自然をすくってました。東北自然保護の集いは、22年という他に例をみない月日を重ね、各県はもちろん、東北全体、もしくは日本全体に影響を及ぼすような議論と運動を展開してきました。激しい伐採にさらされたブナ林の保護、自然を大規模に破壊するスキー場やゴルフ場建設計画、明らかに無駄なダムや大規模林道の問題、希少な野生動植物や無謀な山岳整備計画など枚挙にいとまがありません。東北の自然は外見は豊かさを維持しているように見えますが、中身といえば相変わらず開発優先の政策が横暴にはびこり、各地で軋轢が起きています。

新世紀は住民は主人公の時代だといわれますが、自然保護についてもまさにその通りだと思います。自然の営みの渦中にいてこそ、自然保護活動の旗手になれるからです。来春からは、いよいよ総合学習も本格化し、環境教育の場が増えていくことでしょう。

20世紀をまたいで来た私たちと、21世紀を担う子供たちとで、今よりも豊かな自然環境が、この東北の地に復活するよう願ってやみません。私たちは22年の実績をもとに、21世紀最初の東北自然保護の集いとなることから、ここ安代町において次の宣言を行います。

 

1.21世紀、東北では野生絶滅種を出さない宣言をし、ヒトと自然との共生を目指します。

2.無駄の多い公共事業を多角的に検証すると共に「21世紀は開発よりの復活」をテーマとし、より良い自然環境の維持と失われたものの復元に努めます。

3.21世紀を担う子供たちと共に地域に残された自然を大事にし、また地球規模での取り組みにも積極的に参画していきます。
2001、11.11 東北自然保護の集い岩手大会