厳冬の滝観察会 2001.2.4(日)

暦の上ではちょうど立春となる日、まだまだ厳冬期の最中にある「思いの滝」を訪ねました。以前にも仁田沼〜男沼で観察会を実施していますが、このときは雪がわずかしかありませんでした。今回の観察会は、打って変わって雪もたっぷりあり、しかも前日の吹雪が嘘のように風のない穏やかな観察会日和に恵まれました。

参加者は遠路岩手県平泉町から参加いただいた方も含め、総勢19名と厳冬期の観察会としては多数の参加をいただきました。積雪は約1m。スノーシュー、ワカン、山スキー、クロスカントリースキーと、めいめい足ごしらえをした後、昨日の吹雪模様で積もった新雪を踏みしめてフィールドへ繰り出しました。青空の下に輝く氷結した女沼、雪深い谷間に懸かる思いの滝、白一色の仁田沼と順に巡りました。 冬の観察会ならではのものとして、動物の足跡の観察がありますが、ウサギ、リス、テンの足跡が確認できました。キジハトのものらしき羽毛が散らばっている箇所を見つけ、周囲に動物の足跡が見えないことから、樹上で襲われた説等、諸説が飛び出しました。

仁田沼に着く頃には、参加者の方も次第にワカン等足の道具にも慣れ、先頭を切って新雪を楽しむ余裕も見られるようになりました。そしてお楽しみのランチは、陽だまりの仁田沼で雪のテーブルを囲み、楽しいひとときを過ごしました。お昼の後、積雪量の測定と、ある深さで剥離してずれ落ち、雪崩の原因となる雪面を調べる弱層テストの実演を行い、参加者に雪崩の危険性について意識を持って頂くことができました。

パワフルな厳冬の滝観察会    山内幹夫

昨年の暮れに入会後、楽しみにしていた観察会でした。小学生のように期待と不安に胸をはずませながらキヤノン福島工場の駐車場に行ったら、フレンドリィな雰囲気に不安は消え去りました。土湯温泉駅経由で仁田沼駐車場に着いて、皆さん雪中行軍?の装備にかかりましたが、驚いたのは、山スキーや雪中歩行用具・服装のすばらしい事でした。

観察会が始まり、高橋淳一さんのすばらしいレクチャーに耳を傾けながら、まわりを見渡すと、結氷した女沼周辺は新雪に輝き、心が洗われるようでした。リスやウサギの足跡の観察、羽を持った楓の種子、ミズキの冬芽など、積雪期ならではの観察ができました。女沼湖畔で小休止の後、いよいよ、思いの滝を目指します。それにしても数多い女性会員方々のパワフルで明るい会話は、雪中歩行の励みになりました。これが日本の元気の素なのでしょうか。やがて崖頭に立つと、白く輝く樹々の間につらら煌めく思いの滝が見えました。以前塩ノ川には渓流釣りに行ったことはありますが、厳冬の滝は初めてです。この素晴らしい渓谷をこれ以上砂防ダムなどで壊してほしくないと思いました。

記念写真の後、仁田沼までラッセルし、いよいよ昼食です。初めて雪のテーブルを体験しました。ここで、山スキーの種類や雪中歩行用具の説明があり大変勉強になりました。また、小野寺さんが遠く岩手県の方から来られたとのこと、この会の奥深い魅力を垣間見たようでした。仁田沼は水芭蕉の季節に来たことはありますが、この季節、喧噪もなく、春の芽吹きを待つ樹々が新雪に映える姿は、清々しいの一言に尽きます。初めての観察会参加でしたが、皆様方のパワフルで暖かい雰囲気に感激しました。次回の観察会も楽しみにしております。

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