高倉山観察会 2000.10.22(日)

 吾妻山連峰の北東端で異彩をはなつ、高倉山の紅葉を訪ねました。今回は参加者が11名と、家庭的な雰囲気での観察会です。歩き始めて程なく、ブナ林に出ました。ここのブナは樹齢4,50年ぐらいの比較的若いブナです。沢沿いのブナを良く見ると幹の沢側は蘚苔類がついていましたが、山側は白く対照的。何故このようなことが起きるのかいろいろ想像しながら歩くのも楽しい。
 ブナ林を過ぎると程なく沢に出ました。対岸のミズナラの古木は中々見事です。ここは「鎌洗い沢」ともいわれるそうです。この沢を渡ると、本格的な登りとなりますが、霧の平に至るまでミズナラ林です。ブナ林の上に成立しているミズナラ林も珍しいですが、稜線直下のコメツガが見られるあたりには、里山でよく見られるヤマナラシの中木がコロニー状に散在していて驚きました。この一帯の樹木分布はとても特異的で何かいわくがありそうです。
 霧の平では、コメツガ、オオシラビソ、キタゴヨウマツ等の針葉樹に混じってミズナラの幼木、サラサドウダンなどが見られました。コメツガやオオシラビソは旗状樹形を形成しており、一帯は強風が多いことは容易に想像できました。標高的には1500m足らずですが、亜高山帯とミズナラ林帯が混交した林相は、吾妻連峰でも特異な存在ではないかと思われます。帰りは、太陽の日差しに恵まれ、一段と美しく輝く紅葉を十分に堪能しました

高倉山観察会レポート 鈴木勝美

 集合場所に着くと朝の苦手な私が最後でした、全員揃って滑川温泉奥の登山口へ向かいました。 姥湯への途中で駐車場と言うより道脇の空き地と言ったところに車を止め登り口はどこだろうと思っていたがすぐ脇の崖を登り始めた、先が思いやられたがここが一番の難所でした(^^; 天気予報では良い天気のはずが、稜線を隠すようにずっと雲が懸かっていました、ブナとミズナラの植生域が逆になっている不思議、二次林の様子、紅葉が気候条件によってどう変わるか等を聞きながらゆっくりと普段の山登りに比べたら倍の時間を掛け登っていきました。
 霧の平に到着するとザックを置いて高倉山手前の鞍部まで観察に行きました、途中でオオイワカガミ(大きいイワカガミ)がありました、初めて見ましたがほんとに大きな葉っぱで、花も是非見たいと思いました。
 戻ると高橋代表が苦労して担ぎ上げてくれた鍋で芋煮です、現地調達のキノコも入り、さらに皆さんからのお裾分けやデザートのメロンまで頂いて贅沢な芋煮会に成りました、ご馳走様でした。
 しばらく下ると時折青空が覗くようになり紅葉がとても綺麗に映えてブナ林の中で暫し休憩となりました、日が差してくるとブナの葉を通した黄色い光で林の中が一気に明るく輝き出すような感じでした。
 今回は参加者11名と少なめでしたが、途中では他の登山者にも会わず静かな林の中で説明を聞くことが出来て、とてもよい観察会でした。

おいしかった高倉山観察会     佐藤久美子

 今回の観察会は、参加者11人といつもの賑やかさはなく、こぢんまりとした感じでした。それでも、美味しいいも煮とジューシーなフルーツと素晴らしい紅葉と大、大満足の集いでした。
 霧が平を目指しての登りは、最初から登山道が狭く、傾斜しているので、足元が緊張した。急な、登りを過ぎると、若若しい真すぐに伸びたブナの林にでた。どのブナも一番先に空の太陽を確保しようと、グングンと競争している様子がわかった。競争に負けたブナは、自然と倒れて、森は、バランスを保つと教えられた。ブナの黄色とコミネカエデの赤色ミネカエデの黄色、まだまだ緑を残している木々のコントラストが、とにかく美しい。
 途中の湧き水で喉を潤し、急坂を登りきると霧が平に出た。不思議とここだけが、石がゴロゴロしている。樹木が生育しないのは、風が通り抜ける為らしい。回りの眺めは、ダケカンバの白い枝が、絵画的である。雲がしっかりへばりついて、山の頂は見られない。やはり、名前の通り霧が平なのだ。お昼は、温かいいも煮を頂く。味噌味がうまい。
 風が冷たくなり下山開始。笹の葉にしがみつきながら降りていく。丁度、ブナの林にさしかかった時に、太陽が初めて顔を出してくれる。回りの景色がキラキラと光だし、光が差し込んだブナの林は、黄色も緑色も歓声があがる程輝きだした。折角なので、ここで休憩をとり、ゆっくりと眺める。何とゆう贅沢。大きな鍋と材料と食器と燃料を準備して、いも煮を作ってくれた、高橋さん、本当にご馳走様でした。


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