ブナの新緑観察会 2000.6.4(日)

 観察会のルートは、1995年10月15日に行った第13回観察会と同じコース設定でした。前回は秋真っ盛り、ブナの紅葉が素晴らしい季節でしたが、今回は新緑の季節、標高1400mのブナの森を目差しました。 観察ルートは、吾妻修験盛んな頃の登拝ルートでもあります。唐松沢登山道入り口に、結界を示すとされる姥神石像があり、安全祈願をして出発しました。半分落下した唐松沢の橋を渡り、先ずサワグルミなどの渓谷林を登る。すぐにスギの人工林に入り、これを抜けると再びミズナラやウダイカンバなどの二次林へ。これもすぐに終わり、その次がカラマツ人工林の長い登り。カラマツの急登をようやく終えるとやっとブナの巨木が現れる。これも伐採の残存木であり、さらに進んで今日の目的地である若いブナのコロニーに到着。というように、林相がめまぐるしく変わる登りでした。
 林内には、クルマムグラ、ヒメアオキ、チゴユリ、ズダヤクシュ、タチツボスミレ、オオカメノキ、ハウチワカエデなどの花がひっそりと咲いていました。今年はブナも多数の花を着けており、秋にはブナの実が大豊作になりそうです。


         
ブナの新緑観察会に参加して  村松恵美子
 
「ウワーッ 大きなブナの木!!」思わず歓声をあげていました。会報の表紙を飾ったこともあるというこのブナは三人が両手を広げてもまだ抱えきれまん。
 六月初旬、中吾妻山ブナの新緑観察会に参加しました。私にとっては、丁度十回目の参加となります。登山口からは、四,五人づつのグループに分かれ出発です。木や花、虫、登山の話題等、リーダーとの会話は尽きません。足もとにはミヤマスミレ、ズダヤクシュ、ベニバナイチヤクソウ等が見られ、林はスギからカラマツそしてブナへと変わって来ました。 昼食後、背丈以上もある笹をかき分けかき分けブナの大木に会いに行きました。樹齢数百年のそのブナを見上げ、しばし敬虔な思いにとらわれました。苔むした木肌に新緑の葉を着けた枝をいっぱいに広げているブナ。今年は花も沢山咲いていました。ブナの森は人の心を癒してくれる空間、癒しの森でもあるように思いました。優しさと威厳のあるブナが、今まで以上に好きになった観察会でした。


ラショウモンカズラ

トリガタハンショウヅル
今まで吾妻連峰での植生確認報告の無い植物。高知県の鳥形山が原産。恐らく今回の観察会参加者が吾妻での初確認者。渡り鳥が種子を運んだのではないかと思われる。

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