雪ウサギ観察会 2000.4.23

 福島市民には「種まき兔」として親しまれている吾妻小富士の雪形「雪ウサギ」を間近に見ようということで、去る4月23日、残雪の吾妻小富士山麓を目差しました。
 まだ営業が始まっていない微温湯温泉から、登山道を吾妻小富士の裾野を目差して登ること約2時間。出発時は晴れていたのに、森林限界に達した頃、天気予報通り寒冷前線がやってきて横殴りの風雪模様になってしまいました。高橋代表が上部の偵察に出るなど様子を見ていたものの、肝心の吾妻小富士も見えず、風も強くなり回復する気配もないのであきらめて引き返し始めました。 ところが、10分程下ったところで吾妻小富士が見えだし、天候回復の兆しが見えてきました。寒冷前線が通過したようで、急遽登り返し、雪ウサギが正面によく見える雪の丘まで上がりました。 丘の上からは、これまで麓からしか見たことのなかった雪ウサギが目の前に広がり、その大きさを実感することができました。そして、雪ウサギを眺めながらお昼を頂き、下山するころにはまた雪が舞い始めました。
 「雪ウサギをみんなに見てもらいたい」今回の観察会を発案した高橋代表の願いが通じたのか、本当に絶妙なタイミングで雪ウサギに会うことができ、印象深い観察会になりました。

雪ウサギ観察会に参加して  伊藤順子
 咲こうか咲くまいか、時ならぬ寒さに首をすくめているようなR115の桜並木。天気は下り坂と言う予報だけれど、車移動の途中、立派に目的の雪ウサギが望めて、ひとまず満足。数年前、微湯の送迎マイクロバスでワクワクドキドキしながら通った素晴らしい(?)山道が、立派な舗装道路になってしまって、運転は楽だけれど、何だか自然が遠くよそよそしくなった気がしてちょっと悲しい。それでも、芽吹きの山道 は、一瞬一瞬が名画のように美しく、思わずうっとり。(と、いけない。安全運転、安全運転。)
 冬の眠りから覚めたらしい微湯の登山口から、一路雪ウサギを目指す。雪道の歩き方、特に雪解けの頃の落とし穴(?)の位置を教わって「なるほど♪」。 観察会の度に、何かひとつずつ利口に(?)なるのが嬉しい。もうひとつ今日の目玉は、「ショウジョウバカマの秘密」。それから「なぜ、立ち木の周りから雪が解けるか?」 etc .etc. そんな観察をしながら、小一時間ぐらい登り詰めた頃 急に雪が吹きかけてきた。一転俄かに掻き曇りの世界になってしまった。高橋さんが雪ウサギの様子を見に行った。、ガスで見えないので諦めて下り始めて数分か数十分、また日が差してきた。小富士が姿を現した。
 登り返しはつらいけれど、老体に鞭打って引き返す。スキーですいすい降りられた方はそれ以上にお疲れさま。でも苦労した甲斐が200%以上。標高約1300m程のピークからの吾妻の眺望は、雪ウサギはさておき、ただ、ただ、素晴らしいの一言。特に高山の男沼・仁田沼方面に延びた裾野の木々を纏った美しさ。「大切にせねば」と思いつつ下山した。

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