女神山観察会 1999.11.28

 去る11月28日、1999年度を締めくくる観察会として阿武隈山地女神山の観察会と、それに引き続く1999年度の総会が行われました。お天気がやや不安定で、お昼頃から雨がぱらついたりしましたが、女神山では晩秋の雑木林を十分堪能することができました。女神山には近年中腹を取り巻くように林道が建設され、登山口が実質上この林道沿いに移ってしまったため中腹からの登山となりました。総勢25名を3班に分け、3つのコースから別々に山頂を目指しました。途中、スズメウリをみんなで食べてみたら以外と甘かったり、ウスタビガの繭をたくさん見つけたりと、冬枯れの雑木林は観察材料に事欠くことが無く、参加者の皆さんがそれぞれいろんなものを見つけだして楽しみました。女神山はクヌギやコナラを中心とする広葉樹と、マツ、スギの人工林で覆われていますが、高山などの奥羽山系の山より多種多様な木々があり、同定できないものもありました。
 女神山山頂付近は展望を確保するためかかなりの規模で伐採されており、ベンチや鎖の柵なども作られていて、かつての姿を知る参加者からは、素朴な自然が失われたことを残念がる声が多く聞かれました。人間の利便性追求のため、これ以上自然が壊されることのないよう女神に祈りを捧げ山頂を後にしました。

           ■女神山観察会に参加して    斎藤 勉
 昨年、土湯の”栂ケ森”観察会に続いて、今年も会員の方から観察会へのお誘いをいただきました。とても楽しみにしていたお誘いでしたので、夫婦で参加させていただきました。12月になってからの山歩き、初冬の森の様子を観察しながら、ゆっくりと歩くところが、この観察会をとても気に入っている理由のひとつです。また、配布される「ガイドブック」も素朴で手づくりの暖かみを感じます。何よりも一番いいのが、代表の高橋さん、佐藤さん、奥田さんと会員の皆さんがつくりだしている和やかな雰囲気が何ともいえません。今回の女神山観察会も昨年と同様、とても楽しい一日となりました。
 標高599mの山頂までは、3つあるどの登山口からも、普通に登れば30分程度だと思われますが、私達は「堀切口」からのルートで高橋さんと一緒に「冬の樹木観察会」ということで、色々な”冬芽”を探しながら歩きました。”虫営(虫こぶ)”という珍しいものも見つけました。カエデ・コナラなどの樹木の落葉や木の実を拾ったり、野鳥の声と名前も教えてもらいながら、1時間30分程かけてのんびりと頂上へたどり着き、女神山のよさをじっくりと観察できました。
 カタクリ平付近や頂上付近の伐採は無残で、頂上広場の整備は、あまりにも”やり過ぎ”の感じが強く腹が立ちましたが、頂上からの360度の眺めに救われました。お天気は、”あられ”まじりの時雨模様でちょぴり残念でしたが、初冬の山の雰囲気を感じるには丁度よかったような気がします。
 観察会の後は「つきだて花工房」のお風呂で暖まり、恒例のスライド上映の後今年は「総会」にも参加しました。活動報告、高山を含めた森のお話、意見交換会で色々と教わることができて、とてもよかったと思いました。来年予定されている活動計画もとても興味があり楽しみです。これを機会に入会をしたいと思っています。観察会などを通して、森の様子を「見て」「感じて」、身近にある美しい森が長く維持できるよう、活動に参加させていただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。


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