6月5日(日)に緑の回廊一斉観察会を兼ねて、鳩峰牧場の植林と龍ヶ岳観察会を行いました。参加者は24名でした。植林も今回で4回目となり、参加者は過去最小でしたが作業に慣れたのかミズナラ、アカシデ、トチノキ、ヤマグリ、イタヤカエデ等500本の苗木を植えつけることができました。また今回、初めて現地で採取した苗を育成したブナとカスミザクラを小幡さんが持参し、植えつけました。その苗はいずれも見事に生長したもので皆さん感心していました。 今年は例年より植物の生育が1週間ほど遅れているため、昨年まではいつも咲いていたタニウツギやアキグミの花は未開花でしたが、それに変わりトチノキやアズキナシの花が満開で、沢ではコチャルメルソウ、サワハコベ、オオバタネツケバナ等の花を観察することができました。また牧場の隅にある小沼ではモリアオガエルが産卵中で貴重な生物の生態を観察する幸運にも恵まれました。 今回で全ての牧場の植林が終わりJAおきたまと福島森林管理署の事業は今年で終了となります。なお4ヵ年で植林した苗は1500本となりました。車の乗り入れ等で枯死した苗もありますが、80%以上は活着しており、今後は補植と生育状況の見回りが中心となります。次年度からは会独自の取り組みとして継続していく予定ですが、植林する苗の本数も少なくなり、時間的にも余裕ができることから新たな企画を工夫していければと思っています。 |
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最後の植林地 |
里帰第1号の苗を携えて |
植林風景 |
植林風景 |
植林風景 |
植林風景 |
植林風景 |
小休止 |
植林風景 |
植林風景 |
モリアオガエルの産卵 |
コチャルメルソウ |
「第4回水源の森復元ボランテア・緑の回廊一斉観察会」に参加して 広沢 久美子
植林は初めての経験でしたが、さまざまなことを体感させていただきました。牧草地の土は固いから、雨も吸収されず、生物の少ないことを実感しました。 木々に包まれた川辺は、高木の下、チャルメルソウ、ミズナ、サワハコベ等植生が豊かです。どんな動物たちが、水を求めて集まってくるか、想像力がふくらみます。 牧草地の下、木々に隠されるように小さな沼がありました。木の高い所には、モリアオガエルの卵があります。湿地には、シュゲールアオガエルの卵が数ヶ所に点在し、産卵中のモリアオガエルの姿がありました。鮮やかな緑色の体、まぶたの輝くような橙色に圧倒されてしまいました。卵の白い塊にそっと触れると、弾力があり、中の卵をしっかりと守っています。水中は全体的に暗く、黒くどんよりしていて、サンショウウオやイモリが静かに息づいていました。 開けた牧草地に戻ると、大きなトチノキが堂々とした花を咲かせ、目にとびこんできました。気温が上がってきたようで、ハルゼミの声がにぎやかになりました。森が多くの命を育むことを体感することができました。野生動物が自由に往来できる豊かな森がつながり、広がっていくことを望みます。何十年か先、ツキノワグマがあの時に植林したクリやアキグミ、ミズナラの実を口にすることを想像するだけで、楽しくなります。 龍ヶ岳観察会では、ヤマツツジが満開でした。エゾタンポポは、やさしい黄色で、アズマギクは、ハルジオン(春紫苑)の花に似ていました。ノミノフスマの小さな白い花を見ていると、つい笑顔になってしまいます。低木の林を歩くと、幹に縦に並んで二個、セミのぬけがらを発見。透明感のある茶色でした。下の笹の葉に隠れるようにハルゼミがじっとしていました。ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)は印象に残りました。鐘型の赤い花が枝先に数輪ついています。登っていくと、咲く前の、黄色を帯びた薄緑色の苞の状態を観察することができました。ヤナギの葯をルーペで見ると、黄色の他に橙色も見えて、美しい世界でした。山頂近くの木は、芽出しの途中。大きなエネルギーを感じさせてくれました。 |
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ベニバナイチヤクソウ |
ミネヤナギの雄株 |
ツクバネウツギ |
ウリハダカエデ |
エゾハルゼミ |
エゾハルゼミ |
トチノキ |
アズキナシ |