65回観察会・植林と龍ヶ岳観察会 2004.6.6(日)

6月6日(水)に植林&龍ヶ岳観察会を実施しました。参加者は31名でした。昨年は、雨の中の植林でしたが3回目となる今回は、爽やかな快晴に恵まれました。ミズナラ、アカシデ、トチノキ、イタヤカエデ等、併せて450本の苗木を植林しました。これで1,100本の植樹を終えたことになります。

3回目ともなると、さすがに福島森林管理署、JAおきたま高畠支所の関係者との作業連携も手馴れたものです。今回の植林地は土層が固く、堀上に苦労しましたが、2時間足らずですべての作業を終えることができました。広い牧草地の中に1本だけ自生していたカスミザクラの壮木は、今回の植林地のシンボルとなるでしょう。植林に続き、昨年同様ブナの下に芽生えた稚樹の堀上作業を行いました。昨年の冷夏の影響か、今年はブナの芽生えが著しく少ないようでした。それでも80本ほどの苗を確保できました。

昼食を済ませ、2年ぶりの龍ヶ岳を散策しました。レンゲツツジ、ヤマツツジ、カマツカ、サラサドウダン、ハクサンハタザオ、アズマギク、ベニバナイチヤクソウ、ツクバネウツギなど多くの種類の花を堪能することができました。

植林風景

植林風景

植林風景

カスミザクラ

昨年植えたミズナラ

実生の堀上作業

植林&龍ヶ岳観察会に参加して  伊藤 みどり

爽やかな緑の風の流れる牧草地。でも固く乾いた土にスコップは容易に喰い込まない。苗を植えようとすると、土が足りない。掘り上げた牧草が土をしっかり抱えてる。「ごめんね」と詫びつつ牧草の土を振り落とし、刈り取った草を敷き、苗の周りを踏み固める。「風にも負けず、雪のもめげず、カモシカにも抜き取られぬよう丈夫な根を張り、大きく育って緑のダムになあれ」川向こうの森からエゾハルゼミの応援歌。あの蝉の曾孫たちは、このサワグルミの高く茂った梢の中でなくことになるかもしれない。

植え終えて見渡すと、草緑一色だった牧草地が、萌黄色の水玉模様に染め上がっていた。心地良い達成感。大勢で作業するからこそ得られる植林の醍醐味。

 午後は鳩峰峠から龍ヶ岳に登る。満開のガクウラジロヨウラクとサラサドウダンのトンネルを抜けると山頂。眼下に高畠の里が望めるだけで、ぐるり山また山。ここより青森まで「緑の回廊」が続いていると言う。しかし帰途に見た摺上川ダムは、予想以上の規模だった。道路も立派過ぎる。七ヶ宿ダムと合わせて生態系への影響は?植林地が豊かな緑のダムになる頃、人口ダムはどうなっているのだろう。ダムといい、ゴミ処分場、汚水処理場といい、広域化する必要があったのだろうか。農産物だけでなく、水も排泄物も、地産地消すべきだと思う。

 とりあえず、今日から里子の幼樹たちとのお付き合いが始まる。山への里帰りを楽しみに。                                                            

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