62回観察会・半田山観察会 2003.11.30(日)

11月30日(日)に半田山観察会を実施しました。参加者は13名でした。キャンプ場を基点とする遊歩道を辿り、林道産ヶ沢線の半田山登山口林間駐車場まで登りました。帰りは再び遊歩道に入り630mの高台から登山道を北側に下り、見晴台を経由して駐車場に戻りました.キャンプ場に続くスギの植林地ではシダ植物が豊富で、リョウメンシダ,ジュウモンジシダ,オシダ,シシガシラ,シケシダ,トラノオなどに加え、スギ植林地を抜けた斜面では、日本海型分布のコタニワタリと太平洋型分布のヤマヤブソテツが一緒に植生していました。しかし、その斜面一帯は、樹木が皆伐されたばかりで、直射日光を嫌うコタニワタリへの影響が心配されます。伐採地の一角では例年になく暖かかった11月を反映してか,青々とした葉と若々しい花を着けたヤブタバコが数株残っていました.また、ナライガタマバチの寄生を受けてナラメイガフシと呼ばれる虫こぶを樹全体につけたコナラの奇妙な姿も見られました。高台ではタカノツメの壮木が見事でした。ここではツキノワグマの糞,カモシカのヌタ場などのアニマルサインも観察できました。帰路ではイワウチワ群落、クサギやマユミ、ニワトコの果実なども観察されました.この外、往路でミズキ、帰路ではクマノミズキと双方の植生が確認されたのも貴重な発見でした。

出発時は,小雨がちらつき,傘をさしての観察でしたが,半田山登山口に出る頃は,雨も上がり,見晴台から半田沼の先に広がる雲海の展望は見事でした。

林床はトリアシショウマ

コタニワタリ

ジュウモンジシダ

ヤマヤブソテツ

ナラメイガフシ(ナライガタマバチ)

これはなんだ?

 

ヤブタバコ

タカノツメ

ハナビラニカワタケ

マユミ

コハウチワカエデの落葉

落葉を踏みしめて

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