61回観察会・県民の森観察会 2003.10.26(日)

10月26日(日)に安達太良山麓・県民の森観察会を実施しました。参加者は14名でした。フォーレストパーク第2駐車場からキャンプ場等が整備された森林公園を経て、松葉沢林道を辿り、杉田川(遠藤ヶ滝)と赤不動尊を訪ねる周回コースを散策しました。

森林公園から暫くは、外来樹の不自然な植樹やアカマツ・カラマツの人工林など人的な作為が多く残る森ですが、それでもオオバボダイジュの大木や穂状についたマツブサの黒い実、サワフタギ、ムラサキシキブの青紫の果実、そしてこの季節から翌春にかけて生育するフユノハナワラビなど、これまでの観察会では見られなかった珍しい植物も観察されました。

このコースで最も自然度の高い杉田川上部のミズナラ林は、紅葉最盛期でした。ブナ、アカシデ、ハクウンボク等の黄葉の中で緑色から深紅まで連続して変色する葉を抱えたコハウチワカエデの樹が一際、美しさを放っていました。遠藤ヶ滝に続く杉田川左岸の渓谷林ではアワブキ、ミヤマハハソ、シラキなど普段あまり観察されない樹木も確認され、この一帯の本来の自然植生の豊かさの一端がうかがえました。赤不動尊からの急登では、ウダイカンバの潜芽から広がる皺がユーモラスナな人や動物の表情を連想させ、しばし見入ってしまいました。そして終点の森林館近くではリンドウが1輪、過ぎ行く秋を惜しむように咲き残っており、変化に富んだ今回の観察会に彩りを添えてくれました。

大人とは興味の対象が異なるようです

アカゲラの仕業?

ハウチワカエデ

どちらもウリハダカエデ

杉田川上部のミズナラ林

黄葉を始めたブナ

県民の森、遠藤ヶ滝紅葉観察会     佐藤 久美子
 今年も紅葉の季節を迎え、四季の移り変わりのある日本に生まれた事をつくづく良かったと思える瞬間である。この日は、天気にも恵まれ、青空の下、県民の森駐車場に到着。淳一さん達が準備してくれたいも煮の材料を皆に分散する。歩き出して、暫くはキャンプ場という事で、丸太小屋風の綺麗なトイレやりっぱな街灯が建っていた。幅20pは、ありそうな角材で出来ていて、見上げると鳥がつっついた穴が、沢山あいていた。穴は、途中で止まっている。なぜ?と思ったら、中は鉄柱だった。鳥もびっくりしただろう。こんどは、2〜3メートルの幅で、木が伐採されていた。遊歩道でも造る予定なのか?我妻さんが、辛抱つよく年輪を数えたら、100年の赤松だった。何本もゴロゴロしていた。

杉田川上部のミズナラ林へと進んでいく。ようやく、人の手が入ってない自然の中へ。なぜか、ホッとする。ミズナラの木々は、とても美しい。紅葉も丁度、見頃で、カエデ類の黄色、赤色が素晴らしい。しばし立ち止まり景色を堪能する。同じ木でも、色にグラデーションがあり、太陽の力は偉大である。川の音が大きくなる下り坂の所に、ブナの大木があり、見事に黄色に紅葉していた。こんなに、クッキリ黄色を見るのは、初めてかも知れない。首が折れるくらい見上げたら、空の青色と葉の黄色のコントラストが大変美しかった。

 どんどん下っていくと杉田川到着。いよいよ、お待ちかねのいも煮である。男性陣にすっかりお任せで、出来上がるのを待つばかり。主婦の私には、とても嬉しい時間。澄んだ川の流れに浮く落ち葉を眺め、紅葉に囲まれて食べるお昼は、格別に美味しかったです。ご馳走様でした。
 今回、手強いカエデを1つは、覚えようと、ペンとメモ張を持って参加してみて、収穫は、イタヤカエデ。去年は、ヒトツバカエデ。もう少し、レベルを上げたいと望んでいます。

ブナの黄葉は一瞬

杉田川

紅葉深まる渓谷林

落ち葉

遠藤ヶ滝

静寂の秋

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