60回観察会・鎌沼周辺観察会 2003.8.3(日)

8月3日(日)に鎌沼周辺観察会を実施しました。参加者は21名でした。今回は親子観察会でもありましたが3世代にわたる家族連れの参加がありました。また、東京と岩手から遠来の参加者もありました。

まずは、元気なうちにということで、浄土平から酸ヶ平小屋を経由して一切経山に登りました。この日は好天に恵まれ、多くの登山者が見られました。元教師を講師に自然観察を行っている小中学生のグループもありました。酸ヶ平小屋まではコバノトンボソウ、モウセンゴケ、メイゲツソウ、ヤマハハコ等の花が見られました。一切経山頂で昼食後、鎌沼の周回コースを散策しました。

木道周辺の裸地化が激しい一角では、ネット設置による植生回復実験を試みている箇所がいくつかあり、一部でカヤツリグサ科とおぼしき植物が再生しているネットも見られました。

既に高原は秋の気配で、ミヤマリンドウ、エゾオヤマリンドウ、イワオトギリなどが咲いていました。また姥が原ではチングルマの風車状の果実が群生し、趣のある景観に花を添えていました。帰りは吾妻小富士や桶沼、高山の遠望を楽しみながら蓬莱山を経由して浄土平に戻りました。

メイゲツソウ

オオバショリマ

気持ちいいね

酸ヶ平と鎌沼

構造土植生と吾妻小富士

一切経山頂

シダ大好き      東京都目黒区 牧野内 直美

あっちこっちの都合をつけて、観察会の数日前に参加することを決めた。それからは、嬉しくて毎朝3時頃、目が覚めてしまう。当日の始発の新幹線に間に合うように体が練習しているようで何かおかしい。山にはよく行っているので朝早いのは珍しくないのだが、今度は、いつもと様子が違う。福島に自然観察のために日帰りをする。マニアックな世界に入っているようで嬉しいのだ。福島駅の改札口で奥田さんの姿を見つける。さあ、いよいよ始まった、という感じ。四台の車に分乗して浄土平に向かう。

佐藤さんに挨拶をすると、あっけに取られたという様子であった。電話の声が若かったのに本人を見てがっかりしたようだった。でも気持ちは充分若いので、許してほしい。今回は佐藤さんのそばを歩こうと決めていた。知らない事が多いので少しでも吸収できたらと思っていた。始めの全体打合わせのとき、佐藤さんから「今日は個人的にはシダです」と聞いた。えっ?!ほんと?!実は私もシダが大好きなのだ。でもなかなか分からない。好きなのに同定できない。もう嬉しくて早速佐藤さんにシダのことを話しかけた。「動機は不純なんです。1000種にするために、シダにいかざるを得ない」とのこと。動機なんてなんでもよい。たくさん教えてもらいたい。始めにオオバショリマというシダを教えてもらった。今まで聞いたことも無い。ショリマというのはシダのことだと教えられたが、〜魔 みたいでおもしろい名前だ。下りでは、ヒカゲノカズラ、アスヒカズラを見た。アスヒカズラは始めてだった。名前はアスナロからきているらしいが、アサヒが、なまってアスヒになった、のほうがピンとくる。

シダ以外では、メイゲツソウが印象的だった。私はオンダデと間違えていた。紅色の花と実のタデである。アヅマホシクサ、ウマスギゴケ、クロウスゴ、イワノガリヤス、チシマザサの花、ミヤマネズ、ハナヒリノキなど初めて認識するものがたくさんあった。

一切経山頂からの五色沼の色はすばらしい。振り返って見ると、五色沼に向かって昼食をとっている参加者の姿が、まるで海辺でお弁当を広げているPTAのように見えておもしろかった。

あっという間の一日であった。仲間に入れていただけてほんとうに嬉しい。これからも機会を作って是非参加させてほしい。皆さんに心から感謝している。

山上の語らい

五色沼(魔女の瞳)

ミヤマリンドウ

一切経遠景

ちょっとお休みね

ミヤマホツツジ

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