59回観察会・水源の森復元ボランテア 2003.6.1(日)

6月1日(日)に第2回水源の森復元ボランテアを実施しました。生憎の雨にもかかわらず、会員とその知人の方も合わせ28名が参加されました。福島森林管理署、JA山形おきたまの関係者を加えて総勢38名で植林を行いました。今回、植樹した苗は、JAで用意していただいた250本の苗に加え高山の原生林を守る会150本と会員の河上さん提供の50本を合わせて450本に達しました。

参加者は昨年の約60%でしたが、逆に倍近くの苗を植えることができました。昨年参加された方が大半であったこともあり、皆さん手際よく作業を進めていただきました。今回、植樹した樹種はコナラ、ミズナラ、トチノキ、クマシデ、イタヤカエデ、ナナカマドです。なお、昨年植えた苗は80%以上が活着しています。

しっかり根づいてね     福島市 渡辺恒子

6月1日、「高山の原生林を守る会」が主催する第2回水源の森復元ボランティアに参加して「森」、「緑」、「水」、「仲間」などを改めて考えてみるいい機会にめぐりあった。当日は、数日前から台風の予報で5月に来る台風は30数年振りという。しかも大型だった。当日の夜半まで雨が残るだろうという予報だが、起きてみると里では雨が上がり、出発の集合場所へ出かけてみたものの、車の途中で雨つぶが大きくなり催行を心配した。が、高橋会長に聞いてみると「決行します」という力強い言葉に私の心配は吹っ飛んでしまった。

目的地の鳩峰峠へは、摺上川ダム側からはまだ通れないので、米沢を経由し高畠町から入ること約2時間、松茸ラィンを通り山へ向かう途中、小高い森の松が茶褐色に松枯れし、広い範囲に広がっているのが気になった。国道399号線の峠から福島県側に少し下り、右斜面が目的地の牧場で、途中、橙色のレンゲツツジとダークピンクのタニウツギが真っ盛りで、小雨降る中、私たちを迎えてくれているようだった。雨具支度を整え、開会セレモニ一を一通り終え、いよいよ作業に入った。私たちのグループ(男性2人と女性2人)はミズナラの木を30本ほど全部を持ち、斜面下の沢筋へ向かって降り、仕事にかかった。植え方の指導の通り、40センチ四方を表面の枯葉や雑草を払い、その下30センチ四方を掘り下げ肥科を入れ、根を入れたら軽く土をかぶせて踏みながら根を少し浮かせて踏み、その後で残りの周りの土を中央に寄せる……。指示通りうまくいった。掘る人、肥料を入れる人、苗木を持ち踏む人一役割分担は抜群、手際良く進んだ。途中、会長が2回程イタヤカエデを運んで来てくれた。休みなしの作業は能率が上がった。この日は参加者38人に苗木450本という。私たちグループは80本近く植えた。太いミミズにびっくりしたり、両手は泥だらけで、ほどよい葉っぱで顔を拭くなど、作業後の快い汗が身体に流れた。

かつて私は女学校の頃、今から46数年も前になるが(私は秋田県能代市の出身)、秋田県能代市桧山という町の桧山へ秋田杉の苗木を3年間植樹に行った経験がある。余談だが、桧山とは、民謡・秋田音頭で知られる“能代春慶(塗り物)、八森ハタハタ、桧山ナットウ”の桧山です。山の斜面に横隊に並び、小さいスコップで土穴を明け、割り当てられた苗木を植えたのだが、今はどうなっているだろうか。美しい秋田杉の樹林帯を形成しているだろうか…・。ふと、遠い昔の故郷に、しぱし思いを馳せた。

作業をしながら話し合った。「こういう植樹は何割方根付くだろうね」…って。「5割かな」、「半分も根付けぱ御の字よ」…などと勝手に言っていたが、あとで聞いてみてぴっくり、9割は生存するという。二次林の復活に多いに期待が持てそうだ。雑草に負けないで育ってくれ…と願った。

 狂牛病による社会清努が一変し、そのあおりをかぶったとも言える、「JAおきたま」の鳩峰牧場を、国に復元して返還するため、大変な努力を強いられていると想像する。その一助になれぱと活動に出た。加えて、当該地域は福島市民や県北地方の人たちの飲料水の供給源となる摺上川ダムの水源地であり、早々にも森林の復元を望み行動している「高山」の会には敬服した。同会はさらに野生動物にもやさしく生息場所や移動空間となる「緑の回廊」の実現ヘと夢は壮大だ。大きい夢の実現には一組織のみの活動では限界もあろうが、今回のようにJAおきたま、福島森林管理署など多くの団体.組織に支えられ実現していくことを知った。今回.会員に誘われ参加してみて.登山好きで.登った山の数が増えることだけを考えている私に、一石を投じられたような気がする。また、今回は雨で中止になった観察会にも参加してみたいと思います。皆々様ありがとうございました。

ブナ実生の掘上げ作業

ブナの実生

マザーブナ

昨年植えたイタヤカエデ

昨年植えたミズナラ

昨年植えたナナカマド

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