56回観察会・御在所山観察会 2002.12.1(日)

御在所山

12月1日(日)に2002年度の最後の観察会として茂庭・御在所山を訪ねました。16名の参加者でした。当日は無風快晴と天候に恵まれ、心地よい陽だまりハイクとなりました。御在所山は、茂庭地区の入口に位置し、6月には龍ヶ岳で植林を行っていますから、今年は摺上川ダムの入口と源流部の山をセットで観察会を行ったことになります。「御在所」とは神の宿る場所を表すようですが、その名のとおりこの山頂には祠が奉られていました。

国道から板橋林道に入り、NTT無線中継所跡地に車をおき、板橋林道芳の沢支線をたどって、山頂を目指しました。平坦な山麓一帯はアカマツの植林地でしたが、それでも若い広葉樹がアカマツの間を縫って植生しており、冬芽や木の実をじっくり確かめながらの歩みです。木の実ではクサギ、ガマズミ、ムラサキシキブ、サンショウ、サルトリイバラなどが観察できました。また沿道にはナガバノコウヤボウキらしき潅木が多く植生していましたが、観察会では初めての確認で宮城県が北限とされているようです。林道途中からの三ツ森山遠望やカモシカ頭蓋骨の発見というハプニングもあり、頂上直下の僅かに残る広葉樹林帯では観察する時間が足りなくなってしまいました。

ここの広葉樹林はコナラやカエデ類を中心とした2次林ですが、アオダモの植生も多いようです。山頂直下の急傾斜を背後に控え崖錐が散在する斜面では株立ちしたケヤキが多く植生しており、早春に是非訪れてみたいところです。芳の沢源頭の急傾斜を登りきると立派な鳥居が現われました。傍らには「御在所山出世大権現」と書かれた案内板が設置されています。ここからは参道となり、摺上川ダムを指呼に望む古い鳥居を過ぎるとアカマツ、ヒノキ、モミ等の針葉樹交じりの急傾斜となりました。登り切ると頂上への稜線となり、三角点を確認して更に進むと鳥居の奥に3つの祠が奉られていました。この山域では伐採を逃れ、僅かに残る魅力的な林と林床に埋没するように散乱する大量の空き缶やゴミの景観が混在しており、見捨てられたかのような里山の実態に森の危機を感じました。

観察する材料はいっぱい

ルーペがあると発見も倍増

ここはゴミ処分場ではないのだ

ムラサキシキブ

サルトリイバラ

サンショウ

1984年にはなかった

頂上から望むダム(ムダ?)

1984年には真ん中は無かった

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