50回記念栂森観察会 2001.12.2(日)

 12月2日(日)に記念すべき第50回目の観察会として、不動湯温泉から栂森を訪ねました。岩手からの小野寺さんも含め18名の参加者でした。
 今回のコースは一般的には知られていませんが、開発が進む福島市西部では貴重なクリ-ミズナラ林の植生が残り、土湯周辺でも特に自然度の高い地域です。植林地脇の歩道を辿ると、直ぐに道は切れ、樹木の間を縫うように急斜面の登りとなります。ミズナラやヤマグリ、カエデ類の落葉の弾力が心地よく足元に伝わります。植林地を過ぎ、本格的なクリやミズナラ、ケヤキの自然林に入ると、昔の炭焼き跡が幾つか残っています。炭焼き用材として萌芽更新技術で育てたと思われる古木の幹の表情にしばし足が止まります。またブナの芽生えやヤマドリ、カモシカ、リスなどのフィールド・サインも楽しめました。急斜面を越え尾根に出ると、ケヤキ、ブナ、ナツツバキ、オオウラジロノキ、ミズナラなどの混交林となります。林床ではハイイヌツゲの群落が発達しています。ここの植生は安達太良山の森林植生と連鎖する要素が多く、ここ高山山麓でも特異な存在となっています。

頂上は風雨にさらされるためか、高木は消え、ツツジ類を中心としたマント植生となっています。そんな中に1本だけアカマツの壮木が踏ん張って生き残っていました。 帰りは、西斜面をたどり周回してきました。この斜面では青い肌のブナやクマシデ、アカシデなどの壮木が多く、独特の雰囲気をかもし出していました。雪に覆われた頃にまた訪れてみたい山です。

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