98回観察会・西吾妻誘導ロープ補修ボランテア&ヒナザクラ観察会2008.7.6()


ベニバナイチゴ

7月6日(日)に西吾妻誘導ロープ補修ボランテア&ヒナザクラ観察会を実施しました。今回はデコ平(Aコース)と天元台(Bコース)側の2パーティに分かれて補修作業に当りました。
グランデコスキー場からゴンドラリフトを利用しての登山となるAコースは3名の参加でした。アオノツガザクラやミツバオウレン、チングルマ、イワカガミなどを愛でながら水場に到着。
昨年新たに設置したアルミのロープ保持用ピンは強度が懸念されましたが、曲がったピンは多いものの折れて再生出来ない物は3本程と思いのほか少なかったです。今回も追加して設置したので水場から西大巓への登り斜面にも幾つか設置する事ができました。
毎年同時期に行なうボランティアですが、水場上部には例年になく残雪が残っていて、ヒナザクラとの対比が一層綺麗に感じられました。下る途中で雨に遭うまで、お天気が持ってくれたのは幸いでした。

ヒナザクラ

イワカガミ

Aコースの補修作業

ヒナザクラ

登山道整備に参加して       眞舩 孝道

今回の登山道整備に参加させていただくにあたり、様々な思いがありました。
私は、平成14年〜19年までの6年間、国民体育大会山岳競技「縦走」の福島県代表選手として、「山」に携わってきました。(*国体出場6回のうち、優勝2回、準優勝2回、第5位入賞1回)もともと、マラソンランナーであり、「登山」の経験も無に等しい中での、山岳競技への参戦とあり、大自然の中を駆け回る新鮮さと感動は計り知れないものがあった。
 その縦走競技も昨年をもって国体から廃止。過去6年間山岳競技に携わり、数々の感動と栄光を味わわせていただいた、大自然への恩返しの気持ちも込めて、今回の参加へと至ったわけである。大自然と触れ合い、年々、大自然の魅力に引き込まれていくのと同時に、この大自然がおかれている現状、そして自然環境問題への関心が高まった。ファッション性、機能性も一昔前とは比べものにならないくらいに発達した登山用品。そして、交通機関(ロープウェー等含)の発達により、より安全に、気軽に高山の山登りを楽しめる環境となった現代。
 その一方で、自然に対するマナー、知識が追いついておらず、希少植物が生息する湿原の中を歩き回ったり、高山植物を採取したりといった行動をしてしまうハイカーがいるのも実状である。
また、地域経済事情から、地域おこし、町おこしのひとつとして、「自然との触れ合い」を取り入れようと安易に発案するケースが多々あるのだろうが、やはりその宣伝活動以上に、自然に対するマナー、知識も伝える必要性があると感じる。
今回、整備場所となった、西吾妻山周辺においても、高山性植物が生息する湿原が崩れてきているのがよく分かった。登山道の幅が広がり、湿原の規模が縮小されつつある現状を目の当たりにした。この湿原として成り立つための心臓部である「泥炭層」。この泥炭層が生成されるまでには、数千年かかると今回初めて知った。人の命とは比べものにならない、この生成年月を知れば、大自然との触れ合いには、心構えが必要であるということがよく分かる。
 私は今秋で30歳になる。それと同時に父親にもなる。今回、共に活動を行った、私の倍は生きておられるであろう方々の姿を見て、感謝の気持ちで胸が熱くなった。この大先輩方のおかげで、私はこの大自然の中を走り、感動を味わうことが出来るんだと実感した。そして、純粋に「自分たちも見せていただくことが出来たこの大自然の感動を、次世代へも残さなければ」と思った。
今まで「誰か」が、やっていた活動。今回、その「誰か」になれた誇りは大きい。その「誰か」になる勇気。その勇気が今の若人には必要だと感じた。まずは、今回、経験したことを私の隣の人へ伝えたいと思う。誘導ロープがなくても、自然環境と共存できる世の中にしなければ。自然は、自然のかたちが一番のはず(平成20年7月)。
                         
 E-mail mafu555mafu@live.jp

                   +山と魂+ http://ameblo.jp/555mafu555

 

崩壊した湿原

植生回復ネット設置箇所

再生したイワイチョウ

再生したコウガイゼキショウ

湿原を通す木道は必要? 前年の補修跡 Bコースの作業現場(補修前) 数年前の補修は元の木阿弥

圧雪でつぶれた鉄杭 曲がった鉄杭を石で戻す 女性も石の作業に参加 結構大変なのです

石で鉄杭を打ち込みます

持参したロープに更新

古いロープも利用

完成しました(西大巓口)

完成後のロープ設置状況1

完成後のロープ設置状況2 

西吾妻口から

完成した誘導ロープと登山者

 

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