92回観察会・幕川周辺のブナ観察会 2007.8.26()

826日(日)に幕川周辺のブナ観察会を実施しました。参加者は17名でした。このコースでの観察会は6年ぶり2回目です。くしくも前回と同日の開催となりました。

幕滝観察コース入り口には横断幕が張られるなど6年前と比べて人のにぎわいが感じられます。しかし幕滝観察道から登山道に入ると一転して静かな原生的自然林となり別世界です。ここでは、ブナ、コメツガ、オオシラビソ、ミズナラ、サワラの老壮木が混生しており、吾妻連峰でも極めて珍しい樹相を呈しています。一時、幽玄な森の佇まいを味わい登山開始。登山道は、刈り払いが行われたばかりでした。その幅は3mに達しており、車が通れるほど広々としていました。過剰な刈り払いと思われます。ミズナラとブナの混交林の林相は地形を反映して変化し、風の当たらない凹地ではブナの壮木の群落がよく発達し、風当たりの強いところではサラサドウダン等のマント植生が発達した矮性林となります。やがて原生林的な雰囲気が漂うブナとコメツガの混交林となり、林床では珍しいコイチヨウランの花なども観察できました。オオシラビソ林の入り口で終点とし昼食後、下山しました。帰りは雄大な幕滝と周辺のフキユキノシタ群集と呼ばれる独特の植生を鑑賞して散会となりました。

3mに達する刈り払い

ブナとコメツガの混交林

「幕川周辺のブナ観察会」に参加して      轡田克史

 職場の同僚・山内さんにお誘いいただき、平成19年8月26日に開催された「幕川周辺のブナ観察会」に参加しました。当日は好天に恵まれ、総勢17名で山歩きを楽しみました。
 コースは幕川温泉から麦平湿原手前まで。9時過ぎに歩きはじめ、12時に折り返し地点。幕川温泉に戻ったのが1430分でした。ブナ林からオオシラビソ林へと推移する森の中を、往復5時間くらいかけてゆっくり歩いたことになります。途中、佐藤さんの説明がわかりやすかったです。
 ソバナ、コイチヨウラン、ツルシキミ、ツルリンドウ、サラシナショウマ、アキノキリンソウ、ミヤマセンキョウの花が咲き、タケシマラン、オオカメノキ、トチバニンジン、マイヅルソウが実を付けていました。これらの名前はすべて教えていただいたもの。自分でも花の名前がわかるといいなと思いました。
 帰りに幕滝でマイナスイオン浴。滝に打たれる修行者ほどではありませんが、すっかりリフレッシュしました。
 登山道はきれいに整備され、「過度の伐採だ」と評されて
いました。また、登山道が荒廃するプロセス(人が通る裸地化流水不快!人が脇を通る繰り返し)の説明もありました。これからは、せめて登山道の周縁を踏まないように心がけます。
 高山の原生林を守る会のイベントに参加するのは今回が初めてでした。会の皆さんのおかげで、中身の濃い山歩きをすることができました。また参加したいと思います。ありがとうございました。

トチバニンジン

カメバヒキオコシ

イワアカナバの莢

種を飛ばした後のイワアカバナの莢

フキユキノシタ

ダイモンジソウ

フキユキノシタ群集

幕滝

 

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