91回観察会・西吾妻山ロープ補修ボランテア 2007.7.1()

                西吾妻山ロープ補修ボランティアに参加して     佐藤和重

7月1日、梅雨の合間を縫って恒例の観察会&ボランティアに参加しました。昨年は度重なる順延で参加できなかったので私自身は2年ぶりの参加となりました。

標高1010mから1390mまでゴンドラで一気に高度を上げ、高橋さんに用意していただいた補修に使用するアルミ製のポールを杖代わりに、山登り開始。しばらくはゲレンデ内を歩く、所々に大木のブナの木があり眺めも良く、虫も少ないが、周りの景色と比べるとやはり異様な感じは否めない。

樹林帯の登山道をしばらく行くと、オオシラビソの巨木が何本も倒れている風景に出会い、一同で原因を推測する。

高橋さんや守さんの解説では、オオシラビソなどの針葉樹林は根を垂直に伸ばして生命を維持するがこの地帯は岩盤地帯で表土が薄いため、台風並みの強風で倒れたのではないかとの話でありました。

頂上に着き昼食を食べ、今日の目的であるロープの補修を開始する。登山道の脇にはチングルマ、ハクサンチドリ、ヒナザクラなどが生き生きと咲き誇っていて目を和ませてくれます。雪の力は凄いもので鉄製のポールを簡単にへし曲げてしまう。それを直すのが一番の重労働でありました。

水飲み場の付近などでは、ロープのおかげでだいぶ植生が回復してきたと高橋さんが解説してくれました。何事でもそうですが壊すのは一瞬ですが、それを回復させるには気の遠くなる年月がかかるという事を実感しました。

本当であれば我々登山者が足を踏み入れなければ、登山道もえぐれる事無く、また植生にも一番良いことなのでしょうが、山のこの素晴らしい風景と醍醐味を味わってしまうとなかなか離れることはできないというのが私の率直な思いです。それ故にこういう活動に積極的に参加して、少しでも自然に恩返しができればと思います。そして、この会で学んだことを実践し山登りを楽しみたいと思います。

オオシラビソの倒木

根群域は薄い

作業予定地の全景

作業前(水場付近)

 

作業後(水場付近)

マスタケ

ベニバナイチゴ

イワカガミ

イワイチョウ

ヒメイワショウブ

ヒナザクラ

アオノツガザクラ

ハクサンチドリ

 

 トップページへ    観察会のページへ