90回観察会・北限のシラビソ観察会 2007.6.2(土)

                
              
第6回水源の森復元ボランティア緑の回廊一斉観察会に参加して    我妻 三夫

第1回、2回と植樹に参加して自分の手で植えたブナやミズナラはどう育っているのだろうか。確認もしたくて今年の植樹には家内と二人で参加することにした。前回の植樹にも参加はしたのだけれど大病の後であったので途中で気分が悪くなり一人で帰宅、そのまま医大に再入院ということがあった。「森の復元」と「私自身の復元」なにか因縁を感じる観察会である。

現地に着いてみると植樹した幼木たちは元気に育っていた。今回捕植するところは1回目の場所よりかなり下の方で随分広く植樹してきたものと感心した。

三人一組で苗木、鍬、腐葉土をもってそれぞれ植樹をはじめた。6回目ともなると細かい説明なしでどんどん手際よく進む、私と家内は楽な仕事ということで水遣りを担当することになったが、水源は当然斜面の一番下、沢からバケツに水を汲んで登り返すのは大変。6年前は元気に動き回っていたのに、今改めて見回してみると峠の牧場跡はなんと広大なんだろうと思った。植樹の斜面最下部には小さな沢が流れていて、その縁には元気なブナやミズナラが見られるが対面の森は針葉樹と広葉樹の混合林で赤く枯れた杉が散見される。ここは来る途中で見た茂庭ダムの水源である。我々の植樹が大きく育って人間のために永遠の水供給の一役をになってほしいものだ。

我が会は福島市の水源である原生林の高山を遊興のための破壊から守るために立ち上がったと聞いている。その目的を達成し、今また第二の水源を守る活動を進めている。その活動に微力ながら参加できる喜びを感じている。反面、水源の沢に冷蔵庫の粗大ゴミが捨てられていた。この人の気持ちの格差、私のように大病して復元の困難を体験しないとだめなのだろうか。

峠の道路脇に「・・・いま森の復活を喜び永遠の共生をこの碑に刻む」という記念碑が建てられていたが、個人的には森の復元に相反し好ましいと思わないが、近くに立つなんとか童謡作家の馬鹿でかい碑に比べて可愛らしいものなので可とするか。

午後の龍ヶ岳観察には参加できなかったが、はやくまた皆勤賞をもらうようになりたいものと思いながら帰路に着いた。

第6回水源の森復元ボランティア龍ヶ岳観察会に参加して     齋藤 公男

 今回は、2月の仁田沼の冬季観察に次いで2回目の参加ですが、植林活動は最終回とのことで、ボランティア活動に参加させていただき嬉しく思います。一寸、話は逸れますが、今日は6月2日、私は2回目の参加、2回目の補植、植林に参加した方が22人(会員19人、森林管理署の方3人)、植林に参加した延べ人数が210人、植林が約2、010本、とのことで不思議と2に縁のある日でした。 

 さて、今日は、昨日の雨も上がり、素晴しい天気に恵まれました。8時半に旧果樹試験場に集合し、4台の車に分乗して9時に出発、途中で腐葉土を袋詰めし、40分程で植林地に到着しました。そこで、森林管理署の方3名と合流し、腐葉土を下ろして小型トラックに積み、鍬、スコップ、ジョウロなどの機材と、植林用樹木を積んで植林地に向いました。植林地には4年間植林し、今回は補植2回目とのことで、3人一組であちらこちらに散らばって、ミズナラ、クリ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ等を植えました。ワラビの採取で時々、手を休めましたが、炎天下の約2時間半の仕事で背中は汗びっしょり、で着替えの必要なことが痛感されました。

また、送電線の下での木の植え替えには3名では人数が少なく、木が20本ほどで少ない割りには木の周りを大きく掘り、植え替える穴も大きく掘らなければならず、もっと人数が必要でしたのに、大変ご苦労様でした。その後、車で鳩峰峠に到着しました。峠には、ヤマツツジ、レンゲツツジが一面に咲き乱れ素晴しい眺めで、遠方には吾妻連峰、真っ白な飯豊連峰、朝日連峰が真近に見え素晴しい景色に感動しました。また、昨年10月に建立された共生の碑の裏面には「高山の原生林を守る会」の名が刻まれたことは皆様の努力の賜物で、素晴しいボランティア活動に賞賛をお送りいたします。青空の下、緑の絨毯での昼食は誠に楽しいひと時でした。

午後1時から994mの龍ヶ岳に登って自然観察を行いました。

草本ではオオヤマフスマ、スミレ、ミツバツチグリ、キジムシロ、アズマギク、ベニバナイチヤクソウ、ハクサンハタザオ、アギスミレ、マイヅルソウ、ウスバサイシン、サンカヨウ、チゴユリ、ヒメハギ、ミヤマキンポウゲなどが見られました。

ベニバナイチヤクソウは中山風穴で見てから久しぶりでした。サンカヨウは残念ながら花期が過ぎてました。オオヤマフスマ、ハクサンハタザオ、ヒメハギには初めてお目にかかりました。ヒメハギは小柄な赤紫で実に可憐な花でした。

木本では、ウゴツクバネウツギ()、ガクウラジロヨウラク(花)、エゾアジサイ(蕾)、アオダモ()、カラスシキミ、ウリハダカエデ()、クロモジ(花)ミヤマヤナギ(花)、ナナカマド(蕾)、ムシカリ(花)、シナノキなどが見られました。ウゴツクバネウツギ、ウリハダカエデの花には初めてお目にかかりました。

ウリハダカエデとウリカエデは樹皮の色、模様と葉の形から鑑別してましたが、花には感動しました。カラスシキミは猛毒のシキミの仲間なのでしょうか。興味あります。

ガクウラジロヨウラクは今まで見ていたかも知れませんが、ウラジロヨウラクとの鑑別が分からず見過ごしてきたようです。シナノキは長年、版画の材料としてシナベニヤにお世話になってきましたので会いたかった樹であります。

行き帰りの途中には、紫のフジ、白いミズキ、ニセアカシヤ、うす黄色のトチノキ、ピンクのタニウツギなどの花が楽しめましたし、カモシカにもお目にかかり素晴しい自然観察の一日でした。これからも、楽しい自然観察会に参加させて頂きたいと思いますので宜しくお願い致します。19年6月2日   

ツクバネウツギ

ベニバナイチヤクソウ

コバノトネリコ

ヒメハギ

アズマギク

 

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