第167回自然観察会:城山・里山陽だまり観察会

19.11.24()

167回自然観察会:城山・里山陽だまり観察会

11月24日に大森城址公園で観察会を行いました。参加者は10名でした。大森城址公園は信夫山公園に並ぶ福島市内の桜見の名所です。大森城址には散策路が設けられています。その散策路は地元の「大森城山を愛する会」の方々が定期的に刈り払いをして整備されています。今回も、刈り払いを終えたばかりでしたので、生憎の雨でしたが、心地よく観察ができました。下見の時も含めて、この季節に城山を訪れる人は少なかったですが、賑わいの有無にかかわらず城山を愛する地元の方々による日常的な散策路の手入れによって、貴重な城山の自然と歴史遺産が保護されていると思いました。
散策路は住宅地の水路にかけられた石造りのアーチ型の小橋が入り口になります。この小橋はなんと宝暦2年(1752年)に作られた歴史遺産です。散策路は城山観音堂までの参道になります。道すがら、東北では珍しいヤブガラシの果実や春菊の味がするベニバナボロギクなど、今までの観察会では見たことがなかった人里の植物を観察できました。
尾根に出ると遊具などが整備された公園になりますが、裏側の平坦地にはエノキ、クマノミズキ、ウワミズザクラなどのミニ森林が残されていました。それぞれの樹形が面白く、ビジュアルツリーウオッチングを楽しみました。またクマノミズキの根株を覆うように生育するクサゴケの密生する胞子体の凾ノ雨雫がとまり、そのミクロの美しい世界は格別でした。コケ女と化した参加者の一心不乱に撮影する姿に感嘆しました。晩秋はコケの「花」の季節でした。日頃、訪れることのない城山でしたが移設された古墳など貴重な歴史遺産やヤマグワ、クマノミズキ、エノキ等の城山特有の樹木など発見の多い観察会でした。

 

ベニバナボロギク

ミニ森林のツリーウオッチング 

エノキ(左)とクマノミズキ(右)

 コケ女誕生でししょうか

クサゴケ

ムツタチゴケ

アオハダ  チャ
   
 ウリハダカエデ  ヤマモミジ

イロハモミジ

世界に一つしかない傘