155回観察会〜奥土湯自然林陽だまり観察会

17.11.23()

 

11月23日(日)に奥土湯自然林陽だまり観察会を実施しました。参加者は13名でした。当日は荒天が心配されましたが、時折、陽ざしものぞく穏やかな日和でゆったりと初冬の自然林を散策することができました。
春にはカタクリに埋められていた林床は様々な落葉の絨毯となっていました。出発地からしばらく続くメグスリノキの主幹には独特の縞模様が刻まれ樹が辿ってきた歴史に思いを馳せます。また、イタヤカエデの主幹や落石を覆うコケは胞子体形成の最盛期で赤い朔柄と透明感のある朔(胞子嚢)が緑の葉状マットから林立し、ここだけは春山のミニュチュア版を形成していました。
杉の植林脇に発達したツクバネ群落では羽子板の羽の様な果実をじっくり観察することができました。その冬芽もすっきりしていてなかなかのものでした。
 おびただしい熊の爪痕が刻まれたブナと縄文土器の様なケヤキの上り子が自然林への入り口です。一帯はヤマグリが優占種となっています。森の中央部に控えるヤマグリの大木は圧倒的な存在感です。ヤマグリは発芽が遅いので、カタクリの葉は豊富な春の日差しを十分に浴びることができ、養分を蓄えることができます。この一帯が見事なカタクリ群落を発達させた理由はどうやらこの林相にあったようです。

コケマットとムラサキシキブ

萌芽再生したカスミザクラ

ツクバネの果実

クマの痕跡

 

 

 多様多種の広葉樹

 子供が喜びそうなケヤキ

\ヤマグリの大木

ヤマグリとブナが混じる自然林の観察