153回観察会〜東吾妻山夏の山岳植物観察会

17.7.9()

 

7月9日(日)に景場平から東吾妻山頂までの山岳植物観察会を実施しました。参加者は13名でした。当日は好天に恵まれ、いつもながら女性会員主体の参加者で和やかな雰囲気で景場平を目指して出発しました。
登り始めるとそこはオオシラビソやコメツガに覆われた亜高山針葉樹林帯となります。林床に転がる岩の表面には幾種類かのコケが着生し、深山の雰囲気を高めています。そのコケ類の中でも茎の先端に造精器を付けたコセイタカスギゴケが目につきました。近くには胞子体を伸ばした群落も見られ、コセイタカスギゴケが雌雄異株であることが確認できました。コセイタカスギゴケは吾妻連峰の稜線では良く見られますが、造精器を付けた個体には気づくことはありませんでした。観察会だからこその出会いと言えるでしょう。
景場平ではワタスゲやチングルマなどは既に結実の時期をむかえ白い綿毛や色づき始めた毛輪を風になびかせていました。そんな中で葉の表面から伸びた真っ赤な腺毛で真っ赤な昆虫を捕えたモウセンゴケの美しさが際立っていました。景場平からの長い急登を何とかしのぎ全員無事に東吾妻山頂にたどり着くことができました。姥ケ原を経由して下山の途に就きましたが、そこでも思わぬ発見に恵まれましたが、それは参加者だけの思い出としておきましょう。

造精器を付けたコセイタカスギゴケの雄株

先が丸い朱赤色の腺毛を纏ったモウセンゴケに同色の昆虫が捕捉されていた

オオシラビソ林は幻想的です

色づき始めたチングルマ

 

 

 

 景場平と東吾妻山

 快適な湿原散歩

 姥ケ原は礫ケ原

糞はどうするの

   東吾妻山観察会に参加して    小林悦子

7月9日(日)に東吾妻山観察会に初めて参加させてもらいました。14,5年前には何度か山登りもしていたのだが、同行する人も無く、体力の衰えも感じ、仕事の忙しさを理由にして遠のいていた。でも、山の素晴らしさは肌で感じていて、特に登りで立ち止まって振り返った時にさっと吹いてくる風の心地良さは何ものにも代えがたい。至福の瞬間である。それを味わいたくて参加させていただいた。が、やはり体力に自信がない。大丈夫だろうか?皆さんに迷惑をかけることにならないだろうか?と不安な気持ち一杯だったけれど、「この会は花や木々を観察しながら何度も立ち止まって登るから、いつの間にか頂上へ着いていますよ」と励まして下さいましたが本当に頂上まで登れた。嬉しくてめったに自分の写真は撮らないのだが、東吾妻山頂上標高1974.7mをバックに証拠写真を撮ってもらい、早速子供たちにLINEで自慢してしまった。
また、今回の山歩きで嬉しかったことは今まできれいな花だな“で終わっていた花々の名前や生態を詳しく教えてもらったこと、10分の1も覚えられなかったけれど、これからは見方が変わるだろうと思うと自分の成長が楽しみだ。きっと心優しく綺麗になると。(少し遅かりし・・残念。)
 そして驚いたことに、私のFB友達に長靴で登山をする方がいるのだが、今回のベテランメンバーに3人も長靴の方がいらっしゃった。思わず尊敬の眼差しで見ていたことをご存知だろうか? メンバーの皆さんの服装、携帯されている物(ルーペ等)、博識、何もかも驚きと新鮮さを感じた。黙々と山があるから登る登山も悪くはないが、自然に触れ何度も立ち止まり感嘆するこのような山登りもいいなと喜び勇んで下山に向かった。と、ここまでは良かったのだが、やはり心配した右膝が下りの振動で痛み出した。ひたすら迷惑をかけられないと思いつつも、ストックを2本お借りしてゆっくり下る。でも、とうてい置いて行かれる速度だけど、幸いに観察会は続いていて皆さんが立ち止まる度に距離が縮まり何とか下山できた。嬉しい。すごい達成感。
景色の良い景場平での昼食は、おにぎりしか持っていなかった私も、皆さん手作りのご馳走を頂戴して山の上とは思えない豪華さにまたまたカルチャーショック。
本当に参加させていただきありがとうございました。とても楽しかったです。

 

ワタスゲの白い綿毛が涼感を呼びます

ガクウラジロヨウラクの赤い腺体

頂上直下の湿原で昼食です