149回観察会〜高子二十境・里山陽だまり観察会

16.11.27()

 

1127日(日)に総会に先立って高子二十境 里山陽だまり観察会を実施しました。参加者は9名でした。高子二十境とは、今から200年前の江戸時代に高子の里に居を構えていた篤農家で儒学者でもあった熊阪覇陵に由来する散策路です。熊阪覇陵は中国の王維が著した「?川二十境」に模して高子沼東方の丘陵に広がる景勝地20か所を選抜、名前を付し、それに合わせた漢詩(五言絶句)を読みました。そしてその子で同じく儒学者であった台州が父を顕彰するために「永慕編」として天明8(1788)に出版しました。「永慕編」には「日本名山会図」で著名な絵師・谷文晁が描いた二十境の図と熊阪氏三代の60首の漢詩が掲載されています。
高子沼を起点として走馬嶺、愚公谷から玉兎厳に続く里山を経て、白雲洞を訪ね、不羈?・高子陂に戻る周回コースを辿りました。一帯は県内有数の果樹生産地であり、特に黒色ブドウ「ピオーネ」は日本でも最高級の品質と価格を誇ります。丘陵地には自然林の中にブドウやカキ畑、その麓にはモモ園が広がっていました。そんな中、断片的に残るコナラ林には阿武隈山系の代表的な針葉樹ネズが混生し、オオバヤシャブシやセンダンの大木、子守地蔵、炭焼き穴など古くからの人の営みの痕跡も散見されました。しかし、その一角には除染廃棄物の仮置き場も設置されており里山の自然が福島原発事故で二重に破壊されている現実を目の当たりにしました。

始めのご挨拶

丘陵のブドウ畑を登り

斜面下はコナラ林

センダン

 

 

 

 

 子守地蔵

 ネズ

 ガマズミ

 除染廃棄物仮置き場

   149回 高子二十境 里山観察会に参加して    渡辺京子

実は、今回の観察会とても楽しみにしていました。前年9月、友人と一緒に(奥田様も参加)高子20境を歩き、里山の景色と歴史の素晴らしさを気に入っていたからです。でも、ここは散歩コース、高山の会の皆様と歩けるとは思っていませんでした。
今回、皆様と歩き、土地のブドウの話も聞けました。植物では、ヤブコウジ・ヒヨドリジョウゴ・オケラ・ヒイラギナンテン・シラカシ・マメガキ・センダン、などがありました。マメガキは柿の小さいもので、食べたら干し柿の味がしました。シラカシは熟したところは少し甘味があり食べられますが実が殆どです。調べたら、果実にサポニンが含まれているので、沢山食べると中毒になるようです。又、沖縄県に自生するセンダンからの抽出成分がインフルエンザを死滅させることが実験結果により証明された。現在製品化が進行中である。(植物雑学事典、岡山理科大学より)と書いて有りました。
その内、センダンからインフルエンザの薬ができるかもしれませんね。
観察会の後は、お楽しみの昼食、青柳さんの熱々の豚汁、白沢さんのパイ、松井さんの天ぷら、酢の物、漬物など皆様の持ちよりでゴーカな食事、すべておいしく頂きました。ごちそうさまでした。
午後は総会、私と松井さんは皆勤賞を頂きました。ありがとうございます。
2017
年は高山の会の30周年なのですね。長年続けてきた皆様、スゴイです!来年の観察会の日程も決まりました。また、皆様と一緒の観察会、楽しみにしています。

 

落ち葉歩きは心地よい

ナガバノコウヤボウキ

 断片的に残る自然林

暫しアスファルト歩き

 

 これからが核心部です

 白雲洞

 最高の眺望です

 豪勢な昼食を頂きました

 

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