125回金谷川・愛宕山 冬の里山観察会12.11.25()

 

 

 

愛宕山全景

 草むした鳥居

初めに山内さんからレクチャーを受ける

金谷川・愛宕山 冬の里山観察会に参加して  柳田 美津子

11月25日、今年最後の観察会が愛宕山で行われました。愛宕山は松川・関谷地区の東北自動車道福島トンネルの真上にある271mの小高い里山です。

登山口は県道194号線の東北自動車道上の東側から北方に向かい、左側に愛宕神社参道入り口の道標がありました。愛宕山頂上には愛宕神社があり、地蔵仏や羽黒山の石碑が祀られていました。記念碑に、愛宕将軍地蔵尊は300年前建立された関谷北郷最古の山土仏であり、神社社殿は平成14年に再建、屋根を銅板に葺き替え次代に引き継ぐ。とありました。また参道途中に湯殿山の石碑もあり、かつての部落の信仰の深さが窺えましたが、今は訪れる人もないのか拝殿周りはススキで荒れ果て鬱蒼としておりました。

山裾の鳥居手前と北側には孟宗竹の立派な竹林があり、火伏せに霊験がある神と信仰された愛宕将軍地蔵尊に関連があるのか京都の風情を思わせるような竹林でした。また竹の子から数カ月で成長した青竹の大きさに驚きました。鳥居先の参道は急勾配で、落葉広葉樹林の二次林が続きました。落ち葉はナラガシワが多くみられました。ブナ科コナラ属のナラガシワは、葉柄がありコナラにも似て、また葉の中央部分の膨らみと鋸歯のなめらかさはカシワに似ていました。

ニシキギやハリギリ、タカノツメ、葉柄の長いエンコウカエデなどの落ち葉を観察しながら登りつめると、アオダモのかわいい鼠色(ハトバネズミイロ)の冬芽やネジキの赤い冬芽の可愛らしさに目が止まりました。すっかり落葉して裸になった木立の中にも照葉樹のウラジロガシや針葉樹のタチシャジマ(らしい:注参照)が緑豊かに茂っていました。サルトリイバラの葉の光沢からシオデやヤマカシュウとの違いに話が及びました。サルトリイバラはユリ科シオデ属でツル性の落葉半低木。葉は互生し光沢があり、茎にとげがあります。基部は丸く3〜5本の葉脈で果実が赤。またシオデも同じ分類でツル性の多年草。葉は同じく互生し光沢もありますが果実が黒く、茎にはとげがありません。参道で見つけたものは若木のためか葉の緑がうすくシオデに似ていましたが、茎のとげでサルトリイバラとわかりました。

下山は北側の斜面を下ると株立ちの木々が目立ち、里山の趣を感じました。途中でトリガタハンショウヅルの葉の説明を受けましたが、花はまだ見たことが無く、図鑑で淡黄白色の花弁状の萼片をもつミヤマハンショウヅルに似たかわいい花とわかりました。

晩秋の山里にはベニバナボロギク・アメリカセンダングサ・ヨウシュヤマゴボウなど帰化植物がたくさんの実をつけておりました。雑草にも目が向くのが観察会で、今回もいろいろ教えていただき学ぶことができました。

その後は立子山青少年センターに移動。昼食は、みなさんの持ち寄りの美味しい御馳走を遠慮なく頂き、満腹状態で総会に臨みました。総会終了後は佐藤代表よりスライドを交えて、吾妻山の花々や放射能等の詳しいお話を伺いました。これもまた次世代に繋ぐ悲劇となってしまいましたが、いつか放射能の無い安心して住めるような福島に戻れることを祈るだけです。

(注:後日、観察会に参加された「国見山に親しむ会」の別所智春さんから図鑑のコピーをいただき、ネズであることが分かりました。別名ネズミサシともいいます)

落ち葉を観察

イカリソウ

山頂は羽黒山神社

 ミズナラ

 市内を眺めながら

 地衣類の象形文字

 ハリギリ

 ハリギリ

ノジスミレ

 

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