111回吾妻慶応山荘・亜高山針葉樹林と湿原植物観察会2010.7.25()

725日(日)に第111回観察会・慶応山荘亜高山針葉樹林観察会を実施しました。参加者は16名でした。冬に山鳥山までの観察会を実施したことがありますが、この山域での夏の観察会は初めてです。つばくろ谷駐車場で準備運動を入念に行い、出発です。登山口周辺は、ミズナラ林ですが、ダケカンバが目立ちます。オニアザミ、ヤマブキショウマに続いてミヤマホツツジの花が姿を見せました。このコースはミヤマホツツジが多く慶応山荘まで途切れることはありません。賽の河原当たりでシロバナニガナに混じってウツボグサが咲き始めていました。山鳥山まではウメガサソウやイチヤクソウ、マルバノイチヤクソウなどブナ林に植生する植物の他に、ネバリノギランやミズゴケ類など、湿地で見られる植物も混じる個所もあり、観察ポイントは豊富です。
山鳥山でカメノコテントウムシの歓迎を受けると、森はキタゴヨウとコメツガの針葉樹林帯に変化しました。部分的にクロベが混じっています。登山道沿いではオオバノヨツバムグラ、モミジカラマツ、オクモミジハグマがコロニー状に小群落を形成していました。井戸溝にかかる簡易橋を渡るとオオシラビソやシャクナゲの密度が濃くなります。慰霊碑を右に見てさらに進むと、ほどなく慶応山荘への入口です。ササ帯に敷かれた木道に導かれて、慶応山荘手前の鬱蒼としたクロベ林に到着です。登山道にむき出しになった根を気遣いながら大木の傍らで昼食をいただきました。

 

 オオバノヨツバムグラ

 コースはミヤマホツツジロードでした

 これだけまとまったキタゴヨウマツ、コメツガ、クロベの混生林は珍しい。井戸溝を過ぎると更にオオシラビソが加わった

   111回吾妻慶応山荘・亜高山針葉樹林と湿原植物観察会に参加して  五十嵐 礼子

  初めまして。私は今回、高山の会の山行・観察会に初参加させていただきました五十嵐 礼子と申します。(主人とともに参加させていただきました)簡単に自己紹介させていただきます。私は福島市仁井田に住んでおります専業主婦です。この会のメンバーの佐藤和重さんとたまたま山の話をしていく中でこの会の事を聞き、参加させていただくことにしました。山行当日、集合場所に行ってみて佐藤 守さんとお会いしてビックリ!佐藤さんとは昔々職場が一緒の時期もありましたし、今いらっしゃる果樹研究所に私も勤務しておりました。本当に20数年ぶりの再会です。また奥田さんもいらっしゃってまたまたビックリ!こちらも昔々キャノン山の会時代に友人を通じていっしょに山に連れて行っていただいたことがありました。若い時分には山にもたびたび登っていましたが、子育ても終わりようやくこの頃ぼちぼち登り始めた私ですので参加する前はちょっと不安でしたが山に行く前になつかしい人たちにお会いしてうれしくなってしまいました。

 さて観察会のことです。不動沢登山口から登り出しました。歩き出したかと思うとすぐみなさん山道の脇に咲いている様々な花たちを見つけ出します。佐藤さんが様々な花の解説説明をされていきます。私が知っている登山とはだいぶペースが異なり少々戸惑い気味。それでも慶応山荘への登り道は樹林帯の中の登り道で、日差しも遮られ傾斜もきついことのない歩きやすい道でした。途中の沢で佐藤さんが「クロクモソウ」の群生地を教えてくれました。そこの水は冷たくおいしかった。ただ残念ながらまだ開花には早い時期のようでした。しばらく登り、分岐を経て慶応山荘手前までいって昼食。皆さんからいただいたきゅうりはおいしかった。あとかわいいチマキは出色でした。ごちそうさまでした。

 目の前の家形山に登らないで帰るのは少し残念でしたが帰りも様々な植物について教えていただきながら下りました。ただうちの主人にいたっては皆目わからん、といった感じです。それでなくても植物音痴で私が知っている花の名前を教えてみても右から左に受け流すだけでさっぱりなんです。「みんな同じ緑色に見える」とか言っていました。それでも「クロクモソウ」の名前だけは覚えたようです。帰ってからネットで調べて「黒雲草」という漢字と実際に咲いている花の写真を見て納得したようです。こんどあの群生地で花が咲いている時期に登ることができればと思います。

 まだまだ不慣れで高山植物については知識がとぼしい私たちですが少しずつこの世界に入っていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

 

 

ウロコミズゴケ(亜高山針葉樹林帯に群生する代表的森林性ミズゴケ)

クロベ独特の造形美は圧巻でした

 

 

 

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