107回観察会・天井山自然林観察会2009.11.29()

1129日(日)に天井山自然林観察会を実施しました。参加者は12名でした。

今回の観察地は旧飯野町の最高峰である天井山(てんじょうやま)です。カラマツ植林地奥の登山口から、小沢沿いに開かれている山道に入ると、スギ、ヒノキの植林地がしばらく続きますが、小沢周辺にわずかに広葉樹が残っています。コナラが中心ですが、ホオノキやアカマツなども点在しています。しばらく進むと視界が開け、穏やかな広葉樹林が広がりました。下草は刈り払われているのでしょうか、林床はことのほかすっきりしています。

落葉の中にミズナラにしては大きめの葉がありました。カシワにも似ています。ナラガシワです。林床にはカシワバハグマと思しき枯れ草が2株。尾根に出ると気持ちのいい自然林が続きます。カエデやシデ類に混じってオオウラジノキやタカノツメなどが時々目に留まります。また、今年はアオハダの果実が豊作のようです。しばし足を止めて観察の輪ができました。草本類ではオケラやセンダイトウヒレンなどが処々に群落を形成していました。

尾根に出ると落葉した樹間からは霊山方面の展望が開け、一貫森のこんもりした山容が望めました。陽だまりの中、気持ちのいい自然林は、程なく途切れ、牧草地の広がる頂上に到着しました。頂上では安達太良・吾妻連峰の眺望を堪能しながら昼食をとりました。落ち葉を踏みしめての観察会でしたが、春から秋にかけて、あまたの花が楽しめそうな気配を感じさせる里山でした。

ナラガシワ すっきりした林床 ウリハダカエデに粘菌でしょうか 面白いものを見つけたようです

初めての天井山   山口 崇

 サルトリイバラ、ナラガシワ、ノダケ、イタヤカエデ、ヤマコウバシ、アカシデ、オオウラジロ、コハウチワカエデ、オヤリハグマ、リョウブ、ミヤコザサ、ツルアリドオシ、ギボウシ、タカノツメ、ヤマナラシ・・・天井山登山口から山頂手前までに教わった木々や野草の名前である。

前回の中吾妻観察会に続き2回目の参加であったが、会員各位の樹木・花・コケ類についての豊富な知識に驚嘆を覚えた。事も無げな説明だっただけになおさらである。数十年のキャリアを持つ会員であれば当然のことかもしれないが、それらの知識を持たない者にとっては一種のマジックを観るような感じでもあった。

登りながら自然林と人工林の相違、林床の違いによる植物分布、葉身と葉柄の長さによる同科属の識別、人工林の自然化等の解説に耳を傾けているうちに、新たな山歩きの楽しさを次第に感じてきた。

若い頃、いくつかの山に登ったが、荷物を担ぎ唯唯歩くだけ。無論それはそれで充分な達成感はあったが、今考えてみると一寸もったいない過ごし方であったように思えてくる。

来年も出来る限り参加したいと思っております。足手まといになるかもしれませんが、よろしくお願い致します。 

一貫森

アカマツ交じりのナラ林

陽だまりの2次林

頂上からの遠望

 

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