奥羽山脈花回廊(7)半田山

                                                                鈴木 勝美

管理センターがある駐車場に車を止めキャンプ場へ入って行く。常に整備されていて目立った花は無いが早速ウツボグサが歓迎してくれた。キャンプ場周辺にはイワウチワ、リンドウが見られる、杉の林に入っていくと倒木の間にオドリコソウが咲いていた。
 まもなくジグザグの登りとなりヤマネコノメソウ、クルマバソウが見られるところである。杉から赤松、カラマツの林にかわり日溜まりにはフタリシズカ、ホタルカズラが咲いており日が射し込む樹間のベンチで休みながら登る。
 坂が少し緩くなると線香花火のようなミヤマカラマツの白い花が顔を覗かせる、時期が変わるとマルバノイチヤクソウ、ホウチャクソウ、ツクバネソウなども咲くところだ。
 一旦林道に出る、林道脇ではヤブデマリ、クサギ、コバギボシ、キジムシロ、ツクバネなどが見られる、駐車スペースで林道から分かれ、あづまやの横を登ってゆく。この先は急登となりゆっくりしたペースを守ろう、右は崖なのだが木々もあり特に視界がよいわけでもなく足下を気にしながら黙々と登ってゆく、だいぶ息が切れるころようやく坂もゆるくなり頂上が近い、周りの様子を見る余裕がでてマイヅルソウやシラユキナガハシスミレを見つける。
 三つの祠が並ぶ頂上からは東側が展望できる、展望盤は残骸しか残っていないが足下には新幹線と高速道路が並んで走っておりその先に阿武隈川が流れ、さらに屏風のように連なった霊山の眺めを楽しむことができる。 一休みしたら下りにかかる、こちらのほうはカエデ類が多いようで明るく感じられ、紅葉時期には綺麗だろうと思わせる林である。先ほどの急登に比べればだいぶ楽に感じながら下ることができる。
 鞍部に下り少し登り返すとショウジョウバカマが咲き残っていた、雪の多い地域では低山でもたくさん見られる、さらにユキザサ、ホタルブクロなどが見つかる。赤松の林になるとチゴユリの群落を発見、見過ごしてしまいそうな小さな花であるが薄暗い林床に星を散りばめたようで見事である。
 赤松林の中を九十九折りに下るとアオヤギソウ、ダイコンソウさらにヒメサユリがひっそりと咲いていた、程なく沼北側の駐車場に出ると遊歩道も整備されており寄り道してウメガサソウやウゴツクバネウツギ、シラネアオイを見ながら沼を半周し車へ戻った。

コースタイム 半田沼(1時間40分)半田山(1時間)半田沼
アドバイス
 国道4号線桑折警察署の北「半田山自然公園,うぶかの郷」の看板から西へ入り「半田山自然公園」の案内に従って進むと約6kmで半田沼に着く。
 管理センターと北駐車場にトイレ有り。 サクラ開花時期は一部交通規制あり
2万5千地形図:桑折


アオヤギソウ

ダイコンソウ

フタリシズカ

ホタルカズラ

イワウチワ

クルマバソウ

オドリコソウ

リンドウ

シラネアオイ

シラユキナガハシスミレ

ウゴツクバネウツギ

ヤマネコノメソウ

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