山形の大境山といわれて分かる方は少ない。飯豊連峰の北の端に静かに横たわる山なので、飯豊の臭いの強い山である。岩手北部の遠島山は、今年40年振りに歩いた山で、新鮮な気持ちでブナと接することが出来た。いずれにしても東北の山は北から南までブナに覆われていることを実感した。 |
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105)百石山 599m 百石山に棲み悪事を働くオオワシを征伐した若者に殿さまが百石を授けたという昔話が伝わる。山形と新潟を結ぶJR米坂線の無人駅伊佐領駅から歩き出す。小学校跡地が登山道入口で小さな駐車場になっている。スギ植林地を過ぎると自然林を歩くのは、どこの低山も同じ。沢に沿って咲くキクザキイチゲやオオタチツボスミレの群落を眺めながら登る。沢から離れると、突然急坂に変わる。この急坂は、山頂から延びる尾根まで続く。ブナを眺める余裕もなくフクラハギが痛くなる頃、尾根にたどり着いた。 |
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106)黒沢峠 424m 今から約500年前に置賜地方から越後へと通じる街道として、伊達14代の稙宗(たねむね)によって大里峠が開かれた。後年、街道には13の峠があるため「十三峠」と呼ばれた。その一つが黒沢峠で、現在も石畳の道が残っており、街道脇にはブナ林が広がる貴重な道である。
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![]() 登山口から断続的ではあるが、黒沢峠まで石畳の道が続く(黒沢峠) |