今回紹介するブナの2山に登山道は無いため登るには積雪期に限られる。その分、自然度が高いかといえば、必ずしもそうではない。日本の山麓は人工林に覆われていることが多い。こんな山の中にまで?と目を疑いたくなる林を越えれば感動の自然林やブナ林が現れる、演出が用意されている。 |
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87)石見堂山 1287m 朝日連峰と月山を結ぶ尾根の外れに石見堂山はある。もっと奥には赤見堂山が高く聳える。以前に天狗相撲取山から障子ヶ岳を経て、赤見堂・石見堂をGWに歩いたことがある。雪はタップリとあって、稜線は白かった。しかし高度を1300mまで下げると立派なブナ林が現れた。 コースタイム:登山口(20分)尾根(1時間10分)ヤセ尾根(1時間)山頂 |
![]() 厳しい狭い尾根を越えれば穏やかな尾根にはブナ林が広がる |
88)大頭森山 984m 朝日連峰の最後の集落である大井沢に住んでいたマタギの志田忠儀著「ラストマタギ」(角川書店)は、当時のマタギの生活と文化、朝日連峰の様子がドラマチックに描かれた本だ。その志田忠儀さんは昨年100歳で亡くなった。冬はウサギを撃ち、春先はクマを撃ち、春はゼンマイなどの山菜採り、夏はイワナを追い、登山道の整備、秋にはキノコ採り。自然を守ながら自然と共に暮らすことを貫いたその人生は、アッパレ!ラストマタギは、また文化の喪失でもあった。 |
異彩を放つ大ブナはブナ林の中でも特に目立った |
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大頭森山 |